活動報告

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2023.12.05

第 66 回全国私立保育研究大会 栃木大会と
栃木県私立保育連盟青年会議部の紹介


   栃木大会のロゴマーク

 栃木県は 2024年6月5日~7日に、第 66 回全国私立保育研究大会 栃木大会を開催します。栃木大会実行委員として、栃木県私立保育連盟青年会議部の小髙 渉部長、福田和也副部長を含む青年会議部のメンバーも中心となり大会企画を進めています。今回は、来年皆様にお越しいただく「栃木」の魅力と「栃木大会」をご紹介させていただきます。

1 栃木の魅力
①  文化と自然
 まず思い浮かぶのは世界遺産「日光東照宮」です。徳川家康をまつる社寺と約 12,000本、37㎞の「日光杉並木街道」は、日本の歴史と美を体現したスポットとして知られ、ぜひ足を運んでいただきたい名所です。また栃木の名山「男体山」の麓にある「いろは坂」、「中禅寺湖」には、紅葉の季節になると多くの観光客が訪れ、その美しさに魅了されています。
 県北に目を向ければ避暑地で有名な「那須高原」があります。乳牛などの家畜が多く、乳製品はお土産として有名です。家族でも楽しめる施設も多く、最近では爽やかな気候を堪能できるグランピング施設が充実しています。また伝統工芸も豊富で、温かな手触りが特徴の「益子焼」、釘を使わずに複雑な模様を組んでいく「鹿沼の組子細工」、日光東照宮の木彫り職人が起源の「日光彫」など、お土産としても人気の高い工芸品です。
②  食のオアシス
 「いちご王国栃木」は昭和 43 年から日本一のいちごの生産量を誇り、現在も品種改良を続け「甘く・大きく・育てやすい」いちごを目指しています。
 また、豊かな自然に恵まれた栃木では、農産から畜産まで幅広い分野で高い生産性を誇っています。そのため市町村独自の名産品も数多く、宇都宮市の「餃子」、佐野市の「佐野ラーメン」、日光市の「日光湯葉」、大田原市の「とうがらし」、そして「とちぎ和牛」など、一度の訪問では味わいきれないほどの多彩でおいしい名物・食材に溢れています。ぜひ地元の味を楽しんでみてください。
③  開催地「シン・宇都宮」
 栃木大会の会場がある宇都宮市は、国内では 75年ぶりとなる新規開業の路面電車(通称:ライトライン)が 2023年8月に開通しました。公共交通の充実により脱車社会を目指す「コンパクトシティ」のモデルとして全国から注目を集めています。また会場の「ライトキューブ宇都宮」は世界的建築家・隈 研吾氏がデザインを監修し、スマートシティのコアとなる施設として2022年に開業しました。
 栃木大会にお越しの際には、皆様ご存じの「宇都宮餃子」はもちろん、隠れた宇都宮名物「ジャズ」と「カクテル」をお楽しみいただけます。
 新たな交通、新しい施設、おいしい食べ物、エンターテインメントに出会える「シン・宇都宮」をぜひご堪能ください。

2 栃木大会の紹介
 地域の関係性の希薄化、子育て家庭や子どもの孤立化、また自然環境の悪化・感染症など、子どもを取り巻く環境が大きく変化している現代、改めて人と人とのつながりの大切さを感じている方は多いのではないでしょうか。本大会では、「つながろう!みんなが輝く未来へ~『だいじ、だいじ』ありのままで~」を大会テーマに掲げ、保育の原点である、人が人を育てる、人と人が育ち合うというつながりを大切にし、私たちができることを考える機会にしたいと思います。
 また「だいじ」という言葉は、栃木県では「大丈夫」という意味も持ちます。サブテーマには、すべての子どもたちに「大丈夫、あなたはあなたのままでいいんだよ」「どんな時にもあなたは一人じゃないよ」というメッセージを込めています。
 「光は みんなで一緒に輝いた時 一番明るくなる」という言葉があります。互いに手をつなぎ、子どもたちのありのままの姿を受け止めながら、いろいろな光がみんなで一緒に輝き、みんなが輝く未来の実現を目指した大会としていきます(「大会趣旨文」より抜粋)。
 栃木大会実行委員会では、保育の原点である「人と人のつながり」を大切にし、参加いただいた皆様にも充分に満足いただけるように協議を重ねています。分科会では大会テーマに沿った研修や、時代に必要とされる研修を皆様に共有いただけるように準備を進めています。そして、皆様も楽しみにされている交流会では、栃木の食を「味」だけでなく目・耳・鼻・触と五感を通して存分に楽しんでもらいたいと考えています。またアトラクションでも、栃木を存分に感じていただける内容を鋭意作成中です。楽しみにお待ちください!

3  栃木大会への青年会議部の取り組み
 栃木大会では、「若い感性を生かそう」という考えの下、複数の青年部員を中心に大会ロゴマークと大会PR 動画を制作しました。
 大会ロゴマークはカラフルな色彩の中で、乳児・小児・成人・高齢者・支援者が手を取り合い円を形作っています。これは、大会テーマである「人と人がつながろう」を象徴しており、「さまざまな人々がありのままでいいんだよ」という願いを込めて作成しました。PR 動画では、前回の徳島大会での「人と人とのつながり」により、徳島出身のシンガーソングライター・福富弥生さんに、保育の情景が浮かぶ素敵な大会テーマソングを作成してもらいました。その他にも、大会 PR 用ユニフォーム・のぼり旗・横断幕の作成に携わっています。
 今後も青年会議部として、栃木大会に参加された方が喜んでいただける、魅力的な大会となるように活動していきます。

4 全国の皆様へ
 栃木での全国大会は、じつに40年ぶりの開催となります。以前参加いただいた方はもちろん、数年ぶりに栃木(会場:宇都宮市)に足を運ばれる方は街の変貌に驚愕されること間違いなしです。
 栃木大会実行委員会では、参加いただいた皆様に栃木の食・文化・歴史の魅力を体験していただくことはもちろん、激動する今の時代を皆で乗り越えていけるよう、大会を通じて「人と人」がつながり、研修以上の「何か」を持って帰っていただければと思っています。皆様のお越しを大会関係者一同、心よりお待ちしています。


2023年6月、徳島大会での PR 活動の様子


紅葉に彩られた男体山と中禅寺湖


栃木大会 PR 動画 QR コード


栃木県私立保育連盟 青年会議部
 小髙 渉部長(左)福田和也副部長(右)

 

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2023.11.06

(一社)鹿児島市保育園協会青年部の紹介

1 青年部の概要
 鹿児島市保育園協会青年部は、鹿児島市における地域保育会の発展および地域振興に寄与することを目的とし、平成 29 年に発足しました。
 鹿児島市の認可保育園88か園と認可保育園から移行した幼保連携型認定こども園9か園、計97か園の鹿児島市保育園協会加盟園の中から若手青年保育者が集い、各会員が地域の子どもたちの輝かしい未来のために、そして健やかなる成長を支援するために活動しています。発足当初は正会員13人、賛助会員 7人の計20人でスタートした青年部は、令和5年現在正会員21人、賛助会員8人の計29人の会員数となり、ますます勢いを増して、魅力ある鹿児島の保育園・こども園を創造すべく日々活動しています。

2  保育施設に求められるものへの対応
 近年、保育施設(保育園・こども園)に求められるものは日々変化してきています。
 保育に関することでは、子どもたち一人ひとりの個別のニーズに対応することが重要視されるようになり、それぞれの子どもに合わせた保育をしなければならなくなってきました。また教え方に関しても、先生が一方的に教えるという方法よりも子どもたちが自ら考え、探求する力を育むことが求められています。さらに、遊びを通じたアクティブな学びや体験を大切にしてくことが必要とされています。
 安全衛生面では、災害対策、遊具の安全性確認、熱中症対策等、また昨今新型コロナウイルス感染症の流行においても、保育施設での衛生安全面や環境づくりの対応が早急に必要となり、園のみならず、すべての方が対応に追われていたかと思います。 その他に関しても、さまざまな文化に対する理解や、ICT を活用した教育用アプリケーションの利用、保護者とのコミュニケーション、保育士不足問題など、挙げていけばきりがないほど時代は日々めまぐるしく変化し、その度に新しい課題も生まれてきています。
 このような時代のさまざまな変化に取り残されることなく、迅速に対応するために、保育施設の園長、職員は常に学びながら、柔軟かつ継続的な取り組みを行うことが求められています。

3 青年部の活動内容
 私たち青年部では、このような変化に対応するべく研修会や勉強会を定期的に開催し、保育に関することはもちろん、近年煩雑化している事務処理や、法人運営に関する内容、災害対策など、幅広い分野における最新の知識の習得や、情報の共有を行っています。そして、専門家や諸先輩方を講師として招聘し、スキルを磨く機会を提供しています。
 令和4年度には、外部の講師を招聘し、お話を伺いました。この年度は丁度こども家庭庁創設が決まったということで、保育の予算、政策に係る話をお聞きしました。その中には、保育士等の賃金の見直し、保育士の負担軽減措置、公定価格の評価の見直し等の要望書の内容などの話も盛り込まれ、こども政策の強化に関する強い熱意が、私たちの心を強く動かすような講演会だったことを覚えています。時には会員自らが持ち回りで講師となり、自園で の取り組みや、諸問題への対応例等を紹介する形式での勉強会も開催しています。このような勉強会においては、それぞれの会員がさまざまな意見や質問を投げかけ合いながら情報を共有し、新しい取り組みへの足掛かりとしたり、また新しい情報や手法を習得できたりしています。さらに、習得したものを各園へ持ち帰りスキルアップできる点もあり、直接的に園や職員の資質向上を図ることができると考えています。
 その他にも、鹿児島市保育園協会のイベントや、研修会への協力や支援活動も行っています。近年、新型コロナウイルス感染症のまん延で開催ができなかった市外、県外への保育施設見学等も、今後は積極的に行っていきたいと思っています。

4 これからの展望
 このような研修会や勉強会、情報交換会などさま ざまな経験を通して、私たちは日々成長しています。鹿児島市の子どもたちがより安心して過ごせる環  境を提供できるように、会員間だけでなく地域の保護者や地域団体と協力し、子どもたちの育ちや保育環境の向上に取り組んでいます。私たちの活動は、子どもたちが安心して健やかに成長し、夢を追い求める力を育むことを目指しています。

 鹿児島市保育園協会青年部は情熱と責任感を持った世代が集まる場です。保育に対する情熱を共有し、今後も子どもたちの未来を支えるために全力で取り組んでいきたいと思っています。
今後も、私たちの活動にぜひご注目ください。


  令和5年度研修会の様子(於・貸し会議室)


  施設見学研修の様子(保育園にて会議中)



 鹿児島市保育園協会青年部部長
 (サウスこまどり保育園園長)
 羽生素朗先生

 

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2023.10.05

(公社)千葉市民間保育園協議会青年委員会の紹介

1  相談できる仲間づくりを目指して
 千葉市民間保育園協議会が2011年に公益社団法人化してから10年以上経ちました。2015年4月に子ども・子育て支援新制度が施行され、保育施設が多様化し、千葉市の保育環境も大きく変わりました。 2011 年度は公立園 60、民間園 49 園でしたが、2021年度当初には公立園  57、民間園(認定こども園、小規模保育事業等も含)290園にまでなりました。 2011年当時は待機児童が多く、千葉市は待機児童0を目指し環境整備を行い、2023年度は3年連続待機児童0となりました。一方、保育施設の急増に保育の質の確保が大きな課題となっています。
 現在、千葉市民間保育園協議会加盟園は 130 園を数え、青年委員会は20名余が所属し活動していますが、施設長になったばかりで「どうしたら安定した雇用ができるのか」「保育の質をどう高めればいいのか」など、戸惑いを感じている施設長も多くいます。また、慣れない環境で一生懸命保育を行った結果、「虐待」や「不適切な保育」につながってしまうことがあるかも知れません。そうならないように保育の質の向上を目指し、広い視野を持って、悩んだ時には相談できる仲間づくりが青年委員会には求められています。そこで若い施設長の活動の場を設けて、互いに学び合える活動を行っています。活動内容は主に、情報交換、勉強会、地域支援活動、復興支援活動、全私保連青年会議への参加などがあります。

2 活動内容について
 青年委員会ではこれまで多くの活動を行ってきました。その内容は、施設見学会や公定価格勉強会などじっくり学ぶものから、キャンプ研修や腰痛予防講座などユニークな取り組みもありました。
① 情報交換
毎回開催/議題を定めず、各委員が施設運営等で抱いている課題などを出し合って意見交換を行う。
② 施設見学
毎年実施/市内認可保育施設、児童養護施設、自立支援施設、県内外小学校等で見学会を実施。
③ 保育の魅力発信
不定期開催/著名人を招いて、保育や子育てについてトークライブを開催。
④ 公定価格勉強会
毎年実施/全私保連保育制度検討会単価検討部会・大森部会長より解説。
⑤ 地域支援活動
毎年開催/年に一度、千葉市の子育て家庭を対象として行われる「子育てフェスティバル」の運営や、子育て家庭を対象とした研修などを行う「保育大会」などの企画運営。
⑥ 腰痛予防講座
毎年開催/保育士として長く勤められるよう理学療法士、作業療法士による保育現場での動きの確認やストレッチの講座。
⑦ 保育所保育指針勉強会
不定期開催/青年委員による勉強会。
⑧ 男性保育士研修会
不定期開催/市内の男性保育士勉強会主催。
⑨ キャンプ研修
不定期開催/青年委員によるキャンプで使える遊びなどの研修。
 年度始めに、会として何を行いたいかを話し合うと、毎年一番多く挙げられるのは定期的な情報交換の場を設けることでした。青年委員の約半数はここ5年間で施設長になったばかりで、不安を感じることも多く、同じ境遇にある青年委員に話を聞いてもらいたいという要望が多く上がってきます。実際、情報交換を行うと話が尽きないことも多々あります。それだけ施設長として、孤独や不安を抱いていることが多いのだと思います。各委員が思いを話し合える場の提供を大切にしていきたいと思います。

3  10 年間で 40 回以上!福島県南相馬市への復興支援活動
 青年委員会の主な活動の一つとして、復興支援活動があります。東日本大震災発生から現在に至るまで、福島県南相馬市にある民間保育施設3園に復興支援活動を行ってきました。南相馬市は福島第一原発から  20~30㎞に位置し、「緊急時避難準備区域」に指定され「暮らすことは可能、ただし何かあったら即座に逃げること」という地域でした。発災当時は休園、避難を余儀なくされ、約1か月以上戻ることができませんでした。その後、戻ることが可能となり、住民は戻っていました。子どもたちも戻っていましたが、区域内に保育施設の設置は認められなかったので、家族以外の人とあまり関わりを持つことができず、屋内でゲームばかりしていました。そうした生活が続き、子どもたちには発語の遅れやストレス行動が見られるようになっていました。
 この状況を憂慮し、3園が協力して緊急時避難準備区域外に臨時の保育園を設立、2011年5月より保育を始めました。しかし、行政は子どもを集めてはいけないという理由で民間保育施設の設立を認めず、要望があったにもかかわらず約3か月間も運営費を支給しませんでした。この事態を知った全国私立保育連盟、日本保育協会の当時の会長が行政に直接陳情し、運営費が支給されるようになりました。青年委員会は、不足していた葉物野菜やお米など 安全な食品を届け、安定的に給食提供ができるよう支援を行いました。今では夏祭りや餅つきの手伝いをする活動を行っています。2011年から今年の夏祭りの手伝いで現地を訪れた活動はじつに41回に及び、多くの青年委員や委員の家族、協議会会員、学生ボランティアの方々に参加いただきました。
 こうした緊急時の対応や継続的支援活動は、個人ではなく「団体」だからこそできる活動です。この支援活動を通じて仲間一人ひとりが協力し、支え、励ますことが何より大切だと改めて思いました。

4 青年活動へ期待すること
 現在、全国の保育現場ではコロナ禍の影響もあり、保育士の数が減少しています。そのため現場にいる職員は多くの作業が求められ、保育現場で働くことの大変さばかりが目立つようになりました。また、虐待や不適切な保育の問題が大きく報道され、保育のネガティブなイメージが多くの人の目に触れる機会が増えました。実際、「やりたくない仕事」と検索すると今までランクインしてなかった「保育士」が上位に上がっています。一方、子どもたちに「将来なりたい仕事」を聞くと必ず上位にランクインする仕事でもあります。こうした状況を改善するために、保育士の処遇や待遇の改善はもちろんのこと、保育のおもしろさや魅力を発信することも青年活動の大きな役割だと思っています。
 地域で協力し合い、保育施設が子どもの成長にとって最善の場となるよう、また子どもたちが安心して「なりたい職業」と言えるようにこれからも活動していきたいと思っています。
(山﨑竜二/千葉市民間保育園協議会青年委員会副委員長)




 福島県南相馬市へ夏祭りの手伝いに


 

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2023.09.05

名古屋民間保育園連盟青年会議の紹介

1 名古屋の魅力

みなさん、名古屋と言えば……、
① アクセス
 名古屋市は、日本の中心に位置する三大都市圏の一角を担うエリアで、関西商業圏と関東地区首都圏をつなぐ交通の要衝としての役割を果たしています。連日、ビジネスマンや観光客で賑わっています。
② 名古屋めし
 濃い食べ物が大好きな名古屋人。独特な食文化が人気を集めています。味噌カツ、ひつまぶし、きしめん等、満足できる名物がたくさんあります。みなさん、ぜひ食べてうみゃ~。
③ 将軍の町
 戦国~江戸期に活躍した大名(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康をはじめ)は愛知県出身ということで、名古屋では武将観光が盛んです。また、最近では名古屋城を中心に、お城の周りの金シャチ横丁でも名古屋めしのお店、お土産屋さんがたくさんあります。
 みなさん、ぜひ遊びに来てください。

2 青年会議の活動について
 近年、保育制度が大きく変化してきています。そんな中で、青年会議だからこそ行っていける活動を日々部員同士で話し合い、仲間たちと切磋琢磨して行っています。中でも、さまざまな研修を行っていて、毎年恒例になっている研修会があります。それは、名古屋市役所職員との研修会です。
 行政の皆さんに、日頃の保育運営で生じる疑問にお答えいただける機会はなかなかありません。そこで青年会議では行政の各担当分野の方を招き、専門的にお答えいただく機会をつくっています。一人ひとりが自園で抱える問題、制度に対する疑問点、今後の名古屋市としての考え方等を聞ける、私たちにとって非常に貴重な機会になっています。
 また、その他にも昨年度は組織づくりや保育カウンセラー等、さまざまな研修会を開催しました。

3 今後の活動について
 最近、保育に対するさまざまなニュースが世間に出ています。そのほとんどは保育園・こども園に対するネガティブな内容ばかりになってきています。そういったことから、青年会議だからこそできることを話し合っています。話し合いをしていく中でネガティブなイメージを少しでも減らしていけるように、ポジティブキャンペーンを柱に会員同士で考えています。今年度は、新たに以下の2つの活動を行う予定になっています。
① 新人保育士(1年目~3年目)に対するケア
 園長先生が他園を見学することがあっても、新人保育士が他園を見学する機会は極めて少ないということで、今年度は青年会議の会員の一人ひとりが講師となり公開保育を行うことになりました。また、公開保育だけではなく、新人保育士同士でグループディスカッション等、さまざまな方法を通して先生たちにいろいろな経験をしていただき、各園の特色を見て自園に持ち帰りをしていただければと考えています。
② 保育士養成校へのアプローチ
 名古屋民間保育園連盟と連携をさせていただき、今年度から新たにキャリア支援部という部会を発足することになりました。活動としては、専門学校や大学のオリエンテーションへの参加、中高生へ向けた保育士の魅力発信等で、「保育士になりたい」という学生を一人でも増やしていけるようにしていく活動を行う予定です。
 さまざまなネガティブなニュースが多いからこそ私たちで行える活動、広報等、積極的に行っていきたいと思います。

4 全国の皆様へのメッセージ
 新型コロナウイルス感染拡大により、各園でもさまざまな活動が制限をされる時代になりました。その中では保育界に対してネガティブなニュースがたくさんあります。そういったニュースを少しでも明るくしていけたらと思っています。
 また、これから保育士になりたいと考えている学生たちに、保育士の仕事の大切さや子どもたちと過ごすことの楽しさを、これからも青年会議の活動を通して発信していきたいと思っています。私たちだからこそできることがたくさんあると思います。そういったことを一つひとつ全力で行っていくことが大切だと考えています。
 最後になりますが、皆様のさらなるご発展とご健康お祈り申し上げます。

■柘植信秀先生からのメッセージ
 少し前になりますが、私が青年会議のメンバーの頃は、青年会議は何ができるのだろうか、青年会議らしさとは何かと常に考えていました。
 人口減少社会と言われる中で保育に注目が集まっています。地域の実情や課題を抱えながら青年保育者が集い、保育を共に語り、発信して、日々の保育を全国の子どもたちの最善の利益につなげていく。まだ完成されていない青年は、夜が訪れて大地が暗く、月明かりしかない時でも、つながりの中で語り合い、行動していく。答えはないかも知れないが、追い求めて悩み、傷つけ傷つけられる……。
 私たちの前から逃げていったさらに遠くへ、手を指先を伸ばして、過ぎ行く中であがきながら流れに逆らい、力の限り進んでゆきたいと思います。


研修会の様子


名古屋民間保育園連盟
柘植信秀先生
(新瑞幼児園園長)


名古屋民間保育園連盟青年会議幹事
下里和正先生
(名古屋ドレミこども園園長)

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2023.08.05

北海道・東北ブロック青年会議
(札幌市・岩手県・秋田県・山形県)の紹介

1 組織の活性化をめざして
 北海道・東北ブロック青年会議は、もともと東日本ブロックに所属していたものの、4年前に北海道・東北ブロックとして独立しました。
 これまで全国の青年会議には盛んに参加していましたが、ブロックとしての活動はあまり行ってきませんでした。しかし、各組織の青年部の人数が減少し活動や存続が危ぶまれる状況で、各幹事が相談して、ブロックで活動をしていく中で各組織を活性化しようという機運が高まりました。
 そこで令和4年度、北海道・東北ブロック青年会議として初めて幹事会を開催しました。幹事会の中では、地域の課題について話し合い、青年会議としてどう向き合っていくかを議論しました。
北海道・東北ブロックの喫緊の課題は人口減少にどう対応していくかです。北海道・東北地域では、県庁所在地にはある程度人口が集中しているものの、その他の郊外地では人口減少が急速に進んでいます。実際に組織に所属している園でも定員割れが多くあります。
 そうした課題に今後長い期間で取り組み、地域の保育の未来について重要な役割を担うのが青年会議だと思います。そして、そうした課題に取り組んでいくために、各地持ち回りでの研修会を毎年開催することを決めました。

2 第1回ブロック研修会
 第1回は令和5年2月13日、山形県山形市で開催しました。研修会の講師としてお招きしたのは山形県民間立保育協議会の役員で、全私保連調査部部長(当時、現在は全私保連常務理事)の齊藤  勝先生(上山市・子供の城保育園園長)です。
 齊藤先生には、「全国私立保育連盟調査結果と考察について」と題して講演いただき、調査部がアンケート調査した「未就学児をもつ親へのニーズ把握調査結果」をもとにお話しいただきました。
 各地域のこれからの保育に取り組んでいく青年会議にとっては、親のニーズを理解し運営に生かしていくことは重要な要素です。調査結果はいただいていたものの、実際にアンケート調査をした調査部の部長から解説していただくことにより、さらに理解が深まり、疑問に思った点も気軽に質問することができて、とても有意義な研修でした。参加者からは「マーケティングを活用することで、今後の運営にいかしていける」との意見もあり、マーケティングの学習会をしたいとの声も上がりました。
 続いて行われた「単価検討部会報告   公定価格の人件費について」では、札幌市の代表幹事で、全私保連保育制度検討会 単価検討部会部員である松本優雅先生に講演いただきました。単価については大まかなところしか理解していない現状で、せっかく同じブロックの代表幹事に単価検討部会部員の先生がいるということで、ご教授いただきました。
 時間の都合上、人件費に限定した研修でしたが、公定価格を理解する入り口として、基本分単価内人件費について理解しておくと自園運営の根拠になり得るということを解説していただきました。
 施設会計上の主要な支出を占める人件費に該当する支弁について、単価検討部会で作成、公開している内訳試算表と、全私保連保育制度検討会単価検討部会・編『公定価格の解説および推移表─子ども・子育て支援新制度施行後の試算』(オレンジブック)を用いて解説が行われました。
 各園の運営のヒントになるだけでなく、さまざまな「チェック項目」を作ることができたのではないでしょうか。

3 各地域の保育の未来へ─互いを高め合って
 北海道・東北ブロックの大きな特徴としては、面積が広大なことです。しかしその広さゆえに、お互い知らないことがたくさんあります。市町村によって対応が違うことも多くあります。
 青年会議としては、課題に取り組みながらも、北海道・東北地域の良さを生かして、保育の未来について熱く議論を交わしていきたいと思います。そのためには積極的に会員同士が交流し、自分たちでは見出せない価値を見つけて、お互いを高め合っていきたいと思います。


札幌市私立保育連盟青年会議会長橋本暁人先生
(北栄マスカット保育園園長)


岩手県私立保育連盟青年部部長福島大輔先生
(かがの保育園副園長)


秋田県保育協議会青年部部長伊藤隆将先生
(ときわベビーハウス園長)


山形県民間立保育協議会青年部部長伊藤直樹先生
(田川保育園園長)


 

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2023.07.05

全私保連青年会議 令和5年度第1回幹事会報告

 5月11日、令和5年度第1回幹事会が対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
 第1回幹事会の主な内容は、令和4年度の事業報告および決算承認、令和5年度開催予定の第42回全私保連青年会議広島大会、令和6年度開催予定の第 43回全私保連青年会議東京大会ついての協議、審議でした。また、横山前青年会議会長をはじめ、この度交代された幹事の方々にもご参加いただき、さまざまな意見をいただいた有意義な時間となりました。
今回は、その幹事会の内容を一部ご紹介させていただきます。
*出席幹事 35 名、委任状3名、陪席 13 名。

■挨拶
 伊藤会長から、「新執行部体制となって初めての幹事会となる。横山前会長をはじめ素晴らしい前執行部の方々から引き継ぎプレッシャーも感じるが、幹事の皆様のお力をお借りしながら、今まで以上に青年会議らしい執行部・幹事会を運営していきたい。今日は短い時間ではあるが、活発な意見交換を行っていただきたい」と挨拶がありました。
 続いて藤谷青年会議担当・全私保連副会長から、前青年会議執行部へ労いの言葉をいただき、協議・審議に移りました。

■協議/審議事項
第1号議案  令和4年度事業報告(案)および予算執行状況報告(案)について

 令和4年度の青年会議は、少しずつ現地での役員会・幹事会を開催することができてきました。そのような中で、「ICTを保育にどう取り組めるのか」をテーマにした青年会議らしい切り口での研修にも取り組みました。さらに 12 月に開催した第 16 回特別セミナーでは、宮崎県にて初めての地方開催で 169名の参加がありました。
 また、青年会議として重要な事業の1つである全国大会は、10月に第41回全私保連青年会議愛知大会を3年ぶりに現地開催し、503名のご参加をいただきました。改めて、地元組織の活性や参加者の研鑽を深めていきたいという想いが伝わり、全国大会を開催する意味を再確認する機会となりました。
 広報活動では年間を通して HP あおむし通信や「保育通信」での発信、青年会議活動 PR ムービー「Youth Conference With Children」や冊子を作成し、今までにはなかった青年会議の魅力を会員の皆様に伝えられたと実感しています。今後も全国の幹事と意思を疎通させ、学び協力し合い「より魅力ある青年会議」を構築していきたいと考えています。

【令和4年度・各部の主な活動報告】
①  研修部
・「今求められている保育を考える」をテーマに、青年会議幹事会全国幹事会研修会を3回開催。
②  広報部
・「保育通信」への掲載(全 12 回)
・HP あおむし通信への掲載(全 19 回)
・新PR ムービー、青年会議オリジナル冊子制作
・YouTube チャンネルの撮影(令和5年度も継続)
③  企画部
・第 16 回特別セミナー
(12 月 14 日・15 日、宮崎県・宮崎観光ホテル)参加者:169 名
 テーマ:超少子化時代を迎えた今、10年後のあなた(園)の姿とは !?~現実を直視し、自らが活きる道を切り開け!~
④  調査研究部
・第 41 回愛知大会分科会の企画・運営
講師:田上誠司氏(フィールドアップ代表)テーマ:これからのコーチング
⑤  総務部
・幹事会(4回開催  WEB 併用)
・役員会(8回開催  WEB 併用)
・愛知大会事前協議会(4月 26 日)
⑥  第 41 回全私保連青年会議愛知大会
 (10 月 27 日・28 日、愛知県・名古屋東急ホテル)参加者:503 名
テーマ:PRODUCE~みとめ愛ち~


令和5年度 第1回幹事会の様子(東京・全国保育会館)  


 新幹事の挨拶

第2号議案  第42回全私保連青年会議広島大会について
 龍山広島大会実行委員長より、第42回全私保連青年会議広島大会について、収支予算および募集要綱や申し込み方法について説明があり、協議、審議がなされました。

第3号議案 第43回全私保連青年会議東京大会について
 伊﨑東京大会実行委員長と高根沢副実行委員長より挨拶がなされ、趣旨文の説明があり、協議、審議がなされました。
*前記すべての審議事項については、全会一致により可決されました。

■報告事項
・第44回全私保連青年会議大会開催地について

■旧幹事、新幹事挨拶
 交代となった旧幹事より挨拶と、新幹事より初心表明がなされ、最後に横山前青年会議会長より、これからの青年会議に向けてメッセージをいただきました。
 今年度5月より、新型コロナウイルス感染症も5類へ移行され、幹事会には多くの幹事が現地での参加をしてくださいました。
 議案審議では、広島大会・東京大会について活発な発言が飛び交い、大会へ向けての動きも本格化していることを実感しました。
 大会実行委員長はじめ、皆で大会を成功させようという思いはさらに強いものとなりました。
 走り出したばかりの新体制、越えなければならない課題は山積ですが、青年らしさを前面に出し、今後も、さまざまな会議や研修会の中で情報共有、研鑽を図り、「こどもまんなか社会」に向けて、自分たちの役割を果たしていきたいと思います。今後もよろしくお願いいたします。
 最後になりますが、やはり同じ空間で、顔を会わせて行う会議・情報共有は素晴しい! と、改めて感じることのできる時間でした。ありがとうございました。


横山前青年会議会長


令和5年度青年会議幹事

*次回幹事会は、令和5年7月開催予定です。

 

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2023.06.05

令和5年度 全私保連青年会議新執行部紹介

今回は、令和5年4月より新体制となった青年会議執行部のメンバーと、各専門部のビジョンを紹介させていただきます。

■青年会議会長
伊藤 悟
このはな保育園園長(静岡県)
[静岡県富士宮市出身]
止まらない少子化、貧困による格差、虐待。子どもを取り巻く社会課題は複雑化し、保育施設が担うべき役割は一層重要なものとなっています。そんな不安定で不透明な時代にこそ、青年会議が発足当時から掲げている「自由と共助の精神」が、これまで以上に大きな意味を持ってくると感じます。急激な時代の変化に、青年ならではの自由な発想で柔軟に対応し、予測困難な未来にも、全国の幹事、会員の皆様と共に学び、情報を交換、共有しながら、新たな打ち手で挑んでいきたいと考えています。
各専門部のビジョンや事業計画においても、『青年らしさ』を全面に出しながら、青年会議がより魅力的なコミュニティとなるよう、積極的に活動していきたいと思います。そして、我々の活動が保育の質向上と、子どもたちの豊かな未来につながるよう、努力してまいります。至らない点も多々あると思いますが、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。



■青年会議副会長・総務部長
堀田真吾
勝幡さくら園園長(愛知県)
[愛知県愛西市出身]
幹事会の活性化、情報交換・共有できる青年会議を目指します。総務部は、会議の運営が主な活動です。役員会、幹事会で各代表幹事が活発に意見を出せる環境をつくり、青年会議の活性化を援助します。WEB会議システムも積極的に利用していきます。





■青年会議副会長・調査研究部長
三宅弘教
さらき遊びの庭園長(岐阜県)
[岐阜県各務原市出身]
幹事会はもちろんですが、地元青年部組織の活性化も図れるような活動を展開できたらと思います。情報が大切な昨今の保育界ではありますが、調査研究部として実となり利となる活動を行い、それを全国の幹事の皆様と共有し、各地元青年部組織へと還元されるような調査研究部を目指したいです。




■青年会議副会長・研修部長
山﨑竜二
若竹保育園園長(千葉市)
[千葉県千葉市出身]
子どもたちの豊かな育ちと保育の資質向上、また社会の変革に合わせた青年会議らしい固定概念にとらわれない研修を行っていきたいと思います。青年会議の仲間の皆さんと力を合わせ、今必要とされる情報の提供ができるよう努めてまいります。




■青年会議副会長・企画部長
菊地 幹
(社福)東京児童協会事務局次長(東京都)
[東京都江戸川区出身]
時代の変化に伴い、保育・経営の質も変化している中で、持続的成長が支援できる青年会議を目指します。企画部は、特別セミナーの開催や他団体とのコラボレーションを進め、多角的な視点を獲得できる機会をつくり、経営者、保育者としての資質向上を青年会議の自由発想のもと図っていきます。




■青年会議副会長・広報部長
吉岡 崇
虹色保育園園長(長崎県)
[長崎県諫早市出身]
幹事会の皆様と共に活性化を図り、全国の保育関係者に青年会議の活動(取り組み)や各地区青年会議・青年部の魅力を知っていただけるよう広報部として努めてまいります。社会に少しでも貢献できることを目標として、幹事の方々、全国の保育関係者へ情報を発信し、活かしていただけたらと思います。







Report

2023.05.08

第42回全私保連青年会議広島大会 実行委員会特集

 今回は、「第 42 回全私保連青年会議広島大会」の実行委員会特集をお伝えします。広島の魅力について、そして気になる大会運営について、実行委員長へのインタビュー形式でお伝えします。

Q1 「広島」の魅力について
お好み焼きだけじゃありません……!

① 美しく豊かな自然と広島のうまいもん!
 広島に着いたら、まず目に映る中国山地。そこから多島美輝く瀬戸内海へ注ぐ川が落ち葉の栄養を運び、牡蠣や魚を育みます。また澄んだ地下水で野菜の路地栽培、酒や酢、ソース等の製造が盛んです。
②  昭和と令和が共存する街
 広島市街は太田川が広島湾に築いた三角州を多数の橋でつないでできています。水と緑あふれる街並みに路面電車、ガス灯、石造りの雁木など、戦前のデザインが映えています。市街周縁部に広島駅や宇品港など陸海運の中継点があり、中国地方を代表する政令市としてビジネス・物流拠点であり、どこに行っても飲食店が軒を連ねています。
③  スポーツに熱い!
 飲食店のテレビ、タクシーのラジオの選局はほとんど野球、お客さんも店員さんもカープの試合を気にしている人が多いです。

Q2 広島大会実行委員会のメンバーについて
 
実行委員会は(一社)広島市私立保育協会総務部 青年会議委員会で構成しています。青年会議委員会は、広島市域の保育施設の後継者や若手経営者約16名で構成し、次世代育成と自己研鑽の場として保育士等キャリアアップ研修や子育て世帯向けのイベントなどの企画・運営を行っています。保育士資格を持ち、保育に携わっているメンバーがほとんどで、近い立場同士で悩みやアイデアなどを共有し、月2回ほど会議を行っています。メンバー同士で話すと、他職種の経験や保育と異なる分野での才能を持っていたりして、ユニークな集まりだと思います。

 広島大会実行委員会のメンバー    

Q3 大会テーマ「こどもたちと平和な未来を~そりゃあ  平和が一番じゃろぉ~」について
 今、広島で保育の大会を行うのなら、子どもたちと共に平和な未来を願うことのほかは考えられないと、大会テーマを決めました。大会について考え始めた頃は「いろいろな生き方が認められる社会についての研修をしたい!」という声がメンバーから上がりましたが、その直後、令和4年2月にロシアがウクライナに侵攻し、ショックを受け、このテーマに満場一致で決まりました。
そんな大きなテーマに対し、もっと身近に現在の自分事として考えるための良い言葉がないかと委員会で考えていたところ、ある委員から「そりゃあ、平和が一番じゃろぉ」。その広島弁のつぶやきのままをサブテーマに入れました。子どもたちが育っていくためには、何を差し置いても平和が一番大切だよねという意味です。
 大会テーマから保育の現場を考えると、人間関係の平和というのが一番大切です。まずは、自分と相手が違うことをはっきりと知り、そして協力・調整を行うことが大切なのです。保育者がそういう姿勢であれば、自然に未来を担う子どもたちも粘り強く話し合い、模索する人になっていくと思います。

 平和記念公園

Q4 広島プログラム(平和学習)に何か 特別な思い入れがあるようですが……
 職業人、社会人として生きる今こそ、かつての惨禍の記憶にもう一度向き合い、再認識する機会が必要だと考えています。
 今回の広島大会は市の中心にある平和記念公園周辺で開催します。平和学習を受けて育ってきた広島市民にとっては馴染み深い場所であり、県外の方も修学旅行などで訪れたことがあるかも知れません。しかし公園周辺には今、資料館をはじめ、さまざまな被爆遺構や石碑、新たに整備された施設等が点在し、ボランティアガイドの方々が説明しています。
 今、世界中から「HIROSHIMA」を訪れた人々が何を見聞きして帰っているのか、一番近い日本人や広島市民が一番知らないかも知れません。リモート研修が当たり前な中であえて、広島に集まるのですから、ぜひとも紅葉の平和記念公園を散策し、感じた心を仲間と語り合って、子どもたちの未来のことについて考える時間を持っていただきたいです。

  広島プログラムでの1枚

Q5 子どもたちにとっての広島大会とは?
 平和の大切さ、尊さについて身近なところで話をするきっかけです。広島の園の子どもたちは、普段の先生たちの話を聞きながら日々成長しています。広島大会に参加された方に限らず、広島を訪れた方はそこで見たこと、聞いたこと、感じたことを子どもたちに話していただきたいです。子どもたちそれぞれが自由な感性で受け止めることが大切です。
 また、開会式後の全体会の中で平和に関する絵本の朗読を予定しています。子どもたちに身近な絵本の読み聞かせで自然と平和について知ってもらうことができるという提案です。

Q6 青年会議の仲間たちにメッセージを!
 青年会議は若い力が集っているから、すごいことが次々に起こってくる場所です。保育に関わるすべての仲間たちに全私保連青年会議のことを知ってもらいたいです。子どもたちのために本気で頑張れる仲間たちがいて、集う場所があるというのは自然なことかも知れませんが、先輩たちの願いがつのって今の形があるのだと思います。自園や自法人で行き詰まった時、損得抜きに話せる仲間たちがいます。チャンスがあるなら掴みましょう!!


 広報活動の様子  


広島大会実行委員長 龍山 浄さん
(とも認定こども園事務)

 

Report

2023.04.05

全国各地の青年部⑬
地域の枠組みを超えて─福岡県の青年部組織
(福岡県・福岡市・北九州市)

 今回は「地域の枠組みを超えて」と題して、福岡県内で活動する青年部組織の連携について紹介をします。福岡県は全国の中でも「県内に3つの保育団体組織がある」唯一の県です。青年部組織もそれぞれに存在し、政令指定都市である福岡市の福岡市保育協会青年部、同じく政令指定都市の北九州市私立保育連盟青年会議、福岡県全体をカバーする福岡県保育協会青年部の3つの組織は、同じ福岡県内の中で異なる環境にありながらも、常に情報共有をしながら、それぞれの保育環境の向上のために切磋琢磨しています。以下、連携強化のための取り組みをご紹介します。

1 我ら『参社會』
 それぞれ30年以上の歴史のある青年部組織が3つも活動する福岡県。置かれている環境は異なりますが、それぞれの恵まれている点や課題などを情報共有しながら、交流を続けてきました。
 それぞれの保育現場の問題、行政との関係・対応の違い、部員数の確保の問題、職員処遇の地域差など、常にタイムリーな話題を話し合ってきましたが、コロナ禍で一時的に停滞したその関係を再び活発化させるべく各部長が中心となり動き出しています。
『参社會』(自称)と呼ばれるリーダーたちの強いつながりをベースに、全国で最も熱い「保育県」を目指しています。

2022年度各支部会の部会長。
左から岡本先生(北九州市)、星岡先生(福岡県)、古賀先生(福岡市)    

2 毎年行われる合同研修会
 コロナ禍が始まった2020年以来中止・延期が続いていますが、毎年1回、幹事持ち回りで合同研修会 を行ってきました。テーマは多岐にわたりますが、講師をお招きして講演を聞くセミナーもあれば、体験・視察型の研修もあります。直近では多くの保育学生が集まる福岡市の保育園就職フェア(於:アクロス福岡)の見学ツアーを行い、各地区が抱える保育士確保の問題やその解決策を模索するなど、喫緊の課題解決につながる研修が主流となっています。また、組織を超えた部員同士のつながりを大切にしたいために、研修後の懇親会は盛大に行っています。たくさん学びのあった夜には、中洲、小倉、久留米といったそれぞれのホームグラウンドで、地元の経済活性化に貢献する青年部員たちの姿が見られます。そして、その交流をきっかけに仲よくなった部員の園同士の交流が始まるのです。
 小規模保育事業が始まった時には、先行する福岡市の情報を活用しながら事業を開始する北九州の園があったり、認定こども園についての情報を県や北九州の先生から教えてもらい、今後に生かそうとする福岡市の園があったり、それぞれの保育運営に活かせる関係が広がっています。そして、2023年度の幹事である福岡県保育協会青年部は久し振りの合同研修会の開催に向けて、張り切って準備を進めてくれています。

3 行政・議員とのつながり
 合同研修会とは別に、福岡県議会議員団との意見交換会を毎年行っています。こちらもコロナ禍以来延期が続いていますが、普段はなかなかお会いすることのない議員の方々との交流・人脈づくりは貴重な機会として続けていました。特にここ数年は、保育園・待機児童の問題が社会問題として注目を集めていたこともあり、熱心に保育界の話を聞こうとされる議員の方ばかりでした。
 議員との付き合いといえば選挙の時の応援といった一方的な関係だけでなく、保育界の課題や実情を伝え行政に訴えていく機会が重要です。そしてアフターコロナのあり方として、議員との交流は従来とは違った形になっていくかも知れませんが、県議だけでなく市議、あるいは国会議員の方々との関わりも重要です。青年部の立場だからこそできる有意義な取り組みを今後も模索していきたいと思います。

県議会議員との意見交換会の様子


4 九州から保育を盛り上げていきたい
 福岡県に限らず、九州の各県の青年部の仲間たちは保育に対する熱い思いを持っています。九州は、「九州保育三団体青年部協議会」としての活動も盛んで、九州8県のメンバーが組織の垣根を越えて団結する土壌があります。
 新しいことへの挑戦や斬新な取り組みを始める仲間が周りにいて、とても刺激にあふれる環境の福岡、そして九州。今年度は佐賀県で九州保育三団体青年部協議会の研修大会(佐賀県保育協会青年部主催)が行われます。九州各地から集まる仲間との学び・交流の機会に、今からワクワクしています。
 今、福岡県は人口が増えている福岡市とその周辺地域があり、それ以外の人口減少地域とに分かれています。福岡市の中でも子どもの数が減っている地域もあれば、都市部以外でも子どもがしっかり集まる園があったりします。それぞれが課題を抱え、少子化が進行する将来に向けての保育園・こども園運営に不安はつきませんが、子どもたちと園のよりよい未来のために、この福岡の仲間たちとこれからも研鑽を重ねていきます。
 コロナ禍も収束局面を迎え、オンライン中心から対面、自粛から活発な移動へとフェーズが変わってきました。福岡の地は交通の便に優れ、美味しい食べ物の魅力があり、美人も多い !? と言われる人気の観光地です。個人での旅行もいいですが、研修や視察を検討の方はぜひオススメですので、その際は我々にお声かけください!


福岡県保育協会青年部部長 星岡 剛先生
(認定こども園おんがの園園長)

福岡市保育協会青年部部長 有松 徹先生
(原中央保育園園長)

北九州市私立保育連盟青年会議会長 宮原健輔先生
(栄美保育園園長)

Report

2023.03.08

公益社団法人 全国私立保育連盟青年会議 幹事会報告
令和4年度 第4回幹事会


 第4回幹事会(全国保育会館2階会議室)の様子
 
 令和5年2月16日(木)14:00から全国保育会館にて、対面とオンラインのハイブリッド形式で第4回幹事会が開催されました。本幹事会の主な内容は、昨年開催された第41回全私保連青年会議愛知大会について、来年度開催予定の第42回全私保連青年会議広島大会について、また初めての地方開催となった特別セミナーの事業報告ならびに収支報告についての協議、審議がされ、活発な議論が飛び交う大変有意義な時間となりました。

【青年会議第4回幹事会】
日 時:令和5年2月16日(木)14:00~15:30   
会 場:全国保育会館2階会議室

【会次第】
■協議/審議事項

第1号議案 第41回全国私立保育連盟青年会議 愛知大会について
第2号議案 第42回全国私立保育連盟青年会議 広島大会について
第3号議案 第43回全国私立保育連盟青年会議開催地について
第4号議案 第16回特別セミナーについて
第5号議案 第17回特別セミナーについて
第6号議案 副会長について
第7号議案 その他


 議長 大石氏(徳島県代表幹事)

第1号議案 第41回全国私立保育連盟青年会議 愛知大会について
 竹腰愛知大会実行委員長から、第41回全国私立保育連盟青年会議愛知大会の事業報告について、また収支決算についての説明がされました。事業報告の中では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、参加者がどのくらいになるかはじめは大変心配されましたが、多くの方々に参加をいただき、大盛況のもとに大会を終えることができたことについて報告がされました。また全国大会を通して愛知県青年部に新たな絆が生まれ、部内の新しい価値や可能性を感じることができたことについて、安定した大会運営ができたことにより今後の大きな自信に繋がったとの報告がされました。幹事からは収支決算について、また全国大会をすることによる地域組織へのメリットについて、協賛企業の動画について等の質疑がありました。第41回全国私立保育連盟青年会議愛知大会については、全会一致で承認がされました。

 竹腰愛知大会実行委員長より

第2号議案 第42回全国私立保育連盟青年会議 広島大会について
 龍山広島大会実行委員長より、第42回全国私立保育連盟青年会議広島大会について、当初予算案が示されました。収入の部、支出の部それぞれについて現時点の予算が示され協議、審議がされました。また、記念講演、各分科会の講師案についても示され、広島大会コンセプトである「子どもたちと平和な未来を~そらぁ平和が一番じゃろ~」にちなんだ講師選定であることが説明されました。幹事からは代行会社である日本旅行に係る経費について、大会予算の整合性について、広告・協賛費について、また講師案についての質疑がありました。大会予算については、今後は執行部との連携も取りながらよりリアルな形で進めていくことについて確認がされました。

 龍山広島大会実行委員長より

第3号議案 第43回全国私立保育連盟青年会議開催地について
 遠藤副会長(総務部)より、第43回全国私立保育連盟青年会議開催地の候補についての説明がありました。令和6年度の第43回大会については、「東京都」を開催候補地とすることについて全会一致で承認されました。

第4号議案 第16回特別セミナーについて
 松山副会長(企画部)より、令和4年12月14日~15日に開催された青年会議特別セミナーについて事業報告ならびに収支決算についての説明がありました。本セミナーは、すでに迎えている人口減少社会において本格的に子どもが少なくなっていく中で、我々青年保育者ができることは何なのか?10年後、20年後のあるべき姿を想像しながら、テーマに沿った非常に内容の濃いセミナーとなりました。初めての地方開催となりましたが、大成功だったことについて報告がありました。第16回特別セミナーについては、全会一致で承認されました。

 松山副会長(企画部)より

第5号議案 第17回特別セミナーについて
 松山副会長(企画部)より、第17回特別セミナーについては、会場を以前に戻すことについて、また令和6年2月15日~16日浅草ビューホテルを予約していることについて説明がありました。
浅草ビューホテルについては、コロナ前とは会場費が3倍以上の金額になっており、今後収支を積算しながら会場について検討していくことが確認されました。第17回特別セミナーについては、全会一致で承認されました。

第6号議案 副会長について
 伊藤次期会長より、来年度以降の執行部(副会長)体制について説明がありました。それぞれ専門部ごとに部長紹介があり、全会一致で承認されました。

報告事項1 都道府県及び各ブロック報告について
 藤澤幹事(福井県)より、東海・北陸ブロック定例会がありました。参加者43名で無事開催できたことの報告がされました。

報告事項2 青年会議オリジナル冊子案について
 帯田副会長(広報部)より、青年会議オリジナル冊子「YouthConferenceWithChildren」の完成報告、また冊子の送付先について、調査研究部よりGoogleフォームを通じて送付先の連絡があることについて報告がありました。

報告事項2 青年会議YouTube撮影について
 帯田副会長(広報部)より、今後のPR戦略については新たなプラットフォームを模索すること、また映像を用いた青年会議用のチャンネル「YouthConferenceWithChildren」を開設することについての趣旨説明がありました。

報告事項3 「季刊栄養教諭」について
 帯田副会長(広報部)より、全私保連広報部を通じて「季刊栄養教諭」執筆依頼について説明がありました。次回原稿執筆に青年会議からも是非協力していただくよう依頼がありました。

報告事項4 幹事の交代について
 次回幹事会について来年度青年会議代表幹事が変更される場合は現幹事もなるべく出席されるようにお願いがありました。


 横山会長あいさつ

次回幹事会は令和5年5月に予定されています。