国際委員会
ハンガリー保育視察
ハンガリーの自尊感情を育てる保育
保育国際交流運営員会企画の2012年11月10日(土)〜18日(日)にハンガリー保育視察で得た情報を公開するものです。ハンガリーの保育士と子どもとの関わり方、具体的に一人ひとりの子どもの育ちを大切にしている場面を映像と解説を通してお伝えします。
完成されたものではありませんが、それぞれの園での取り組みを照らし合わせ自尊感情を高める保育実践に生かす園内研修などに利用していただけたらと思います。
ハンガリー研修の動画についてのご意見・ご感想はあおむし通信ホームページ内の「お問い合わせフォーム」またはans@zenshihoren.or.jpまでお寄せください。
撮影:小林 公正
解説:サライ 美奈
保育国際交流運営委員会
解説:サライ 美奈
保育国際交流運営委員会
書籍案内
ハンガリーたっぷりあそび 就学を見通す保育
著:くるみの木教育研究所 サライ美奈編:(公社)全国私立保育連盟
保育国際交流運営委員会
実践の理論と日本での具体例が書かれています。
動画一覧
Hungary
1. おむつ交換-I(3分33秒)
小さな足 乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手1人(助手は保育には入りません)AM 10:30頃
天候が悪く外遊びがなかったので、保育室で遊んでいる子どもを担当の保育士が一人づつ、いつもの順番で誘い、おむつの交換をしていきます。(おむつをしている子は1人づつ、おむつがとれ、着替えや手洗いなども自立している子どもは二人づつ排泄に誘います。)
おむつ交換は、子どもが保育士と1対1になれるとても貴重な時間です。子どもは、自分のことをしっかりと見てもらえます。保育士は、育児を通して子どもの発達やその時々の様子を知ることができますし、それに合わせて働きかけることができます。丁寧に関われる時間をとるためには、日課(流れる日課)と大人の仕事が大きな意味を持っています。
靴下を脱ぐ、ズボンを脱ぐ、おむつを外す、お尻を洗う(おむつを交換する時は必ずお尻を洗います)、手を洗う・・・行為を行う前には必ず子どもに言葉をかけ、子どもの反応を待ちます。育児は保育士が1人で行うものではありません。子どもと協働し、いずれは子どもが自立して行えるようになることを見通して関わっていきます。
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2. おむつ交換-II(7分24秒)
小さな足 乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手1人(助手は保育には入りません)AM 10:30頃
慣らし保育中、もしくは、終わったばかりの子なので、お母さんが恋しくて泣いています。
保育士は「悲しいのね」と声をかけながらも、靴下はいてみる?と子どもが関心を持てそうなことは提案してみています。お尻を洗う時は、子どもの後ろからではなく、子どもが保育士の顔を確認できる位置関係で行います。
決して子どもを勝手に抱き上げたり、引っ張って連れて行ったりすることがなく、子どもの気持ちを優先している保育士の姿が見られると思います。この場面でのポイントは、子どもが悲しくて泣いているところに保育士が共感しながら、丁寧に育児をしているところでしょう。最後には子どもの気持ちも落ち着き、保育士に言葉をかけ始めます。育児の中でこそ、一対一で子どもに安心感を提供できるということが分かる場面だと思います。
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3. おむつ交換-III(6分26秒)
マイバ乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手ー2部屋に1人外遊びがなかったときは、遊びの中から子どもをおむつ交換に誘っていきます。
子どもが自立して行えるところは見守っていますが、難しそうなところでは「かかとを引っ張ると脱ぎやすいわよ」と方法を教えています。ズボンを下ろすところでも、まずは自分で試みてから保育士が「手伝うわね」援助していきます。
シャワー台は二クラスの共同です。前の子どもが使った便器・シャワー台・おむつ交換台は必ず消毒してから使います。おむつを交換する時は必ずお尻を洗います。途中で、おむつの外れている子どもがトイレに来ました。このような時は、担当の保育士でなくてもトイレにいる保育士がみます。
ちょうどいい暖かさにしましょうね、お尻を洗ったら気持ちいいわよ」といいながらお湯を調節しています。
一人でトイレに来た子どもが手を洗っている様子にも声をかけています。
おむつをしている子でも、おむつ交換の後には手を洗います。もっと小さな子であれば、座れるようになっていれば、保育士の膝に座らせて手を洗います。
水の調節の仕方(冷たい水から出して、次にお湯を出す。とめる時は、お湯からしめて、最後に水をとめる。・・・やけどしないための方法)や、「水を止める時は鏡の方にひねってね」など、方向に関しても、毎回丁寧に伝えていきます。
手を洗った後は手をふき、髪の毛をとかし(鏡で確認しながら身だしなみを整え)、入室します。
・・見学者が多く子どもが緊張しているため、あっさりと終わりました。
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4. 便座に座る→手洗い(4分34秒)
マイバ乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手ー2部屋に1人前の子が使った場所は全て消毒して、用意をしてから子どもをよびます。
おむつがとれかかっている子です。
保育士は子どもをどこかに誘う時も、子どもが望むのでなければ子どもの手を引きません。
便器に座ってみるか尋ねています。
おしっこが出たので、手を洗います。子どもができることは見守り、必要なことは言葉で伝えていきます(手の甲も洗ってね、など)
手洗いの後は手をふき、身だしなみを整えて入室です。
小さい頃から大人が丁寧に関わることで、子どもは一つ一つの行為を集中して行いますし、早く自立して行為できるようになります。
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5. 遊びの途中でお茶を飲む(4分42秒)
マイバ乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手ー2部屋に1人11:30頃
お昼御飯が到着するまでの遊びです(お昼ごはんは、全員のおむつ交換が終わり、保育士が食事の準備につけるまで保育室には運ばれてきません)。
おむつ交換が終わった子は室内遊びを続けています。おむつ交換の時間だけ洗面所で保育士と過ごし、それ以外の時間は室内で遊んでいます。
室内遊びは、おむつ交換に入っていない保育士が見ています。
室内には、子どもの発達に合った遊具や空間が用意されており、子どもは自由に遊びを見つけて過ごしています。保育士はその自由遊びの中で、子どもの発達を見て、必要に合わせて働きかけていきます。
育児は担当が行いますが、遊びはクラスの保育士が全員を同じように見ていきます。
机に座っている子どもたちはパズルをしていますが、保育士はパズルの絵や子どもの言葉に合わせて会話をしています。
子ども同士の関わり、お互いの遊びを見合う姿も見れますし、パズルが会話の材料になっている様子もわかるかと思います。
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6. 子どもの遊ぶ様子に寄り添う保育士(6分04秒)
マイバ乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手ー2部屋に1人11:30頃
お昼御飯が到着するまでの遊びです(お昼ごはんは、全員のおむつ交換が終わり、保育士が食事の準備につけるまで保育室には運ばれてきません)。
おむつ交換が終わった子は室内遊びを続けています。おむつ交換の時間だけ洗面所で保育士と過ごし、それ以外の時間は室内で遊んでいます。
室内遊びは、おむつ交換に入っていない保育士が見ています。
室内には、子どもの発達に合った遊具や空間が用意されており、子どもは自由に遊びを見つけて過ごしています。保育士はその自由遊びの中で、子どもの発達を見て、必要に合わせて働きかけていきます。
育児は担当が行いますが、遊びはクラスの保育士が全員を同じように見ていきます。
机に座っている子どもたちはパズルをしていますが、保育士はパズルの絵や子どもの言葉に合わせて会話をしています。
子ども同士の関わり、お互いの遊びを見合う姿も見れますし、パズルが会話の材料になっている様子もわかるかと思います。
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7. お昼ご飯-I(4分38秒)
マイバ乳児保育園
子ども12人 保育士2人 保育助手ー2部屋に1人11:45頃
一人目の保育士が食事の準備をし、一番目の子どもに声をかけます。
子どもはセットされた食器を机まで運び、自分の場所に座り、食器(お皿、コップ、紙ナプキン、スプーン)を机の上に並べます。
保育士は「今日のご飯は**よ」といいながらつぎ、子どもが食事をはじめます。1人目が食べ始めたら、次の子どもをよびます。
食事の前には手を洗いませんが、それには ①おむつ交換の後にしっかりと手を洗っている ②部屋の中の遊具は清潔である ③ここでもう一度手を洗いに行って保育士と子どもが落ち着かなくなるよりも、落ち着いた中で食事を始められることを優先、と考えられています。エプロンは必要に合わせてします。
最後の子どもには介助用のスプーンが用意されており、必要に合わせて保育士が介助していきます。
もし、1人で食べられない年齢の子どもがいる場合は、子ども一人に対して、大人が一人ついて(一対一)食べさせ、その子が食べ終わったら次の子ども・・・と続きます。
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9. お昼ご飯-II(4分23秒)
マイバ乳児保育園
異種混合クラス子ども23人 保育士2人 保育助手ー1人 自閉症担当専門アシスタントー1人
幼児の昼食の流れは、まず、お当番さんが一番に園庭からあがってきて、助手と共に配膳をします。
次にゆっくりめな子達が上がってきて、着替え、手洗いをすませて部屋に入り、机につきます。その途中で残りの子たちも上がってきて、順次机についていきます(幼児では食べる場所は決まっていません)。
保育士は、机についた子どもたちに食事を配っていきます。髪の毛の長い女性は、自閉症児についている専門アシスタントです。保育には関わらず、自閉症の子どもがクラスでの生活を営めるように援助しています。
もう一人の保育士は、助手と共に受け入れ室の着替えと洗面所での手洗いを見ています。 食事は、子ども達に好き?どれくらい食べられる?と確認しながら配っていきます。 着替えと手洗いの子どもが少なくなったところで、もう一人の保育士が室内に入ってきて配膳を手伝います。 最初はフォークだけで食べていますが、子どもに合わせてナイフも練習し始めます。
食べ終わった子は順次、自分で食器を配膳台に運び、歯を磨き、着替えてベットに入っていきます。