STCスポット

於 首都ルサカ ストリートチルドレン(以下STC)集会スポット
2018年7月14日 12:00-14:00

待ち合わせ場所は最新鋭のきれいな巨大モール。モール内で日本人集団に遭遇し、うっすらこの人たちかな、と思ったが違った。でもJICAボランティアの新人隊のようだ1。おそらく赴任した初の週末で、個人の携帯を買いにきたのではないか、と教えてくれた。

アフリカの概念を破壊した巨大モール

当初、私とJICAでPCインストラクターとして派遣された友人女性の2人での視察予定だったが、JICAの新人女性隊員(栄養学専攻らしい。以下栄養士)も急遽帯同することになった。現地人は3人。1人はいやに笑顔の屈託の無さが特徴的な男。ちょっとパリピっぽい感じもする。1人は人が良さそうな素朴な外見の男。1人は柄物のセーターを着てやけに育ちのよさそうな男だった。

簡単に名前の交換をすると、100クワチャ、つまり1000円を支払うシステムらしく、何に使うか分からないまま支払う。そのままモール内のスーパーに行き、食パン・ジュースを手提げビニール袋いっぱいに3抱えのまま、橋の下に行く。歩いて5分ほどだ。育ちの良さそうな男が、悲しみながら行かないで良い、これからハッピーを与えにいくのだから、と言った。

そこはルサカのSTCスポットの1つとなっていて18歳未満の子たちが30人ほどいた。子どもと言っても大きいし、少し怖い。友人は初めてではないためか、ぐいぐい手慣れた様子で入っていく。入り口の所は尿の臭いがした。トイレの場所は決まっているのだろうか、伝染病のことが気になる。

1私たちはJICA職員ではなくJICAボランティアです。ちなみに私はPCインストラクター、栄養士(岩渕訂正)は家政生活改善という職種で派遣されています。すみません、これもムオンバログと共にうるさいので😂

物怖じしない友人 すごい、、

ザンビアは英語の訛りがきつく誤解もあろうが、どうやら昼だけここに来て、夜は思い思いの場所に散らばるとのこと。何人かと握手をした。皆フレンドリーだ。それでも、自分的に左ポケットに入ってるパスポートと現金、右ポケットのiphoneが気になり、子どもたちから背を向けるのが怖くできるだけ快適な距離を保とうとした。栄養士は壁を背に複数人と話していて、自分と同じ気持ちであるようにも見えた。ここに来る前、お土産として服を貰ったため、前着ていたポロシャツと、次の孤児院へのお土産が入ったビニール袋を手に持っている。その袋が子どもたちには配給のパンに見えるようで、ちらちらと視線が気になる。その袋をくれ、と言われたのは1人だった。少し気分が滅入るが、逆に1人にしか言われなかったとも言えるか。

コミュニケーションは気圧されてイマイチな感覚だ。小さな子どもが笑顔で寄ってきて話しかけてくれた。私の中では、害がなさそうと判断できる子とはある程度心を開けるが、子どもは英語ができないのでやはりコミュニケーションがうまく取れない。ここには70くらいの言語があるらしい。ザンビア語が共用語で、それに準じる形で英語を話すが、このスポットに上手な子はいない印象。手を切断した子が1人いて、自分のことを説明してくれるが、何と言っているかわからない。

現状を聞くクリスピン(手記中ではパトリック)

ひとしきり話したあと、現地コーディネーターの笑顔の男、パトリックと言ったか2、が皆を集める。食事を与える我々の自己紹介と感謝の定形文の掛け声を我々一人毎に行い、ちょっとしたセレモニーだ。それが終わると、一列に並ばせてパンを3枚ずつ配る。子どもたちの目が変わる。真剣だ。少し怖い。私達にも3枚ずつ配るよう促してくれた。なんとか秩序を崩壊させずに配給しているが、少しのきっかけで暴力に発展しそうな臭いを感じる。

2パトリックでなく、クリスピンChrispinです!(笑)

食事に詰め寄る子どもたち 怖かった

笑顔の男パトリックが、怒声をはらんで指示をしていた。今の彼に笑顔はない。厳しい表情で指示を飛ばす。強烈なリーダーシップを感じて、一気にこの男に対しての評価が変わった。良いリーダーだ。パンを配り終わると次にジュースを配る。オレンジの炭酸とビックルのような乳白色の炭酸飲料だ3。子どもたちは自前でプラスチックカップを持っており、その中に乱暴に注ぐ。

その中で1人トラブル発生。何の原因か自分より小さな子のコップを投げ捨てた。パトリックが叱ったようだ。また次のトラブル。背の低い子が、一口ほしいのか配給にありつけてないかと思われる別の子に自分の分を飲ませていた(美しいコミュニティだとその時は思った)が、ところが別の女の子16歳くらいか?が自分にもくれと言ってほとんど飲み干してしまった。子どもは涙を流して不満を言う。またパトリックが叱る。配給トラブルに対して彼が一つ一つ対処している。他の2名も仕事をしていたと思うが彼の印象が強烈で記憶にない。

しばらく時間が経過すると、どうコミュニケーションを取って良いかいよいよわからなくなってきた。とりあえず握手だけはたくさんした。頭には色んな疑問や、こうすればいいのに、という思いだけがぐるぐる廻る。手持ち無沙汰に、帯同している職員に話を聞いてみた。ふわふわした子はドラッグをやっているそうだ。ドラッグを作成する集団や、病院から横流しされているものを使っているらしい。今この子たちがドーズしているのはベンジンが原料のようだ。ベンジンに中毒性があることをgoogleで調べてみる。効果が効いている間は、暑さ寒さ、辛さを忘れるらしい。It let them survive、それが彼らをサバイブさせているのだ、という言葉が心に刺さった。

帰る時間となった。子どもたちから、しきりにGod bless youと声を掛けられる。こちらも、色んな人に同じ言葉をかけた。だが思ったより反応が薄い。心をこめて言ったつもりだったが、意外な反応だった。

3炭酸飲料2つともPlanetという安い炭酸飲料シリーズで、白いのは乳酸菌でなく確かジンジャー味でした!(笑)

栄養士は、頑張って子どもたちにハグをしていた。横顔に汚れがついていた。彼女に聞く。配るのはパンで良いのか。彼女もまた、確かに気になる、バナナの方が栄養が良いかも、とのこと。また、きれいなスーパーで買ったものは割高だろうに、と話した。

彼女の話では、どうやらこの橋の下はJICAでも近寄るべきでないポイントに指定されているらしい。人のよさそうな男は言う。橋の上の一般人たちの目線は、この子たちに厳しい。犯罪をやっているんだろ、ドラッグばかりやっているんだろ、と思っているし、物乞いをしているときにはそんな言葉を浴びせてくる。その言葉に子どもたちは傷ついている。犯罪をしたくないからこそドラッグをやっているんだ。その日一日を凌ぐことができるのだから。ドラッグは1日中意識を朦朧とさせる。先程の子は、薬が効いている間に線路で寝てしまい、腕をカットすることになったそうだ。

友人はJICAのミーティングがあり、帰るとのこと。栄養士も帰るらしい。タクシーが用意され、人の良さそうな男のアテンドのもと孤児院に向かう。タクシー代は先程の100クワチャに入っているとのこと。後から考えると自分が出した金額が100クワチャで、帰りのタクシー代が100クワチャだったから、計算が合わない。どんなシステムなのだろう。この様子では、スポットから孤児院に向かう視察が一連の流れとして設定されているように見えるから、孤児院側に損はさせてないと思われる。友人に損をさせてなければ良いのだが4

4②100クワチャの参加費説明してなくてすみません。この参加費は、孤児院スタッフと参加者往復交通費(本来はミニバスで1人往復約15クワチャ)と差し入れのパン(1袋10クワチャ)とジュース(1本10クワチャ程)と運営費(スタッフ給与等)をその時その時のツアー参加者の参加費あるだけのお金で買ってます。今回は、3人参加なのでトータル300クワチャでしたが、私と栄養士は現地合流解散で交通費使わないので、交渉して私とムタレさんの関係ということで今回だけ特別にその分を先生のタクシー代(150クワチャ)にあてててもらい、差し入れ食料も少し少なくしてもらいました!いつもなら、ミニバス交通費以外のお金で買える食料全て買います。(今回は差し入れ少なめでしたが、たまたま人数も少なかったのでよかったです!)そして一応これは彼らのボランティアで連れてってもらってるのでなく孤児院のツアーのため(と言っても施設に利益無さすぎる金額。今回はおそらくほぼほぼ無いんじゃないかな。)、普段近寄れないあの現場に安心して入れるようにスタッフとは別に来てくれた2人の元ストリートキッズのクリスピン(Chrispin)ともう1人(育ちの良さそうな背が高い子..ロイだったかな?)が来てくれたので彼らの交通費は私たちのお金から出しています。