はじめに
インバウンド効果も関係しているのか、地元で外国人観光客を見かけることが多くなってきました。将来、これら国際化の流れが衰退するということは考えられず、私たちの園の子どもたちが大人になる頃には、今よりずっと多くの外国人と接することになることになるのでしょう。
ふと考えます。自分たちの保育がガラパゴス化してはいないか、ここだけは守らなければいけないというポイントは何か、世界標準に合わせなければいけない点はどこなのだろうか。また、外国人の子どもたちを受け入れたとき、どこまで今の保育を通すのか。そんな疑問が次々に生まれては、頭の中をぐるぐる回っています。
考えるより行けば見えるさ、と保育の旅をするようになって3年目。今回はザンビア共和国というアフリカの国に国際保育貢献をゴールに冒険してきました。ここで保育通信の紙面の一部と、webコンテンツの融合という新しい形への挑戦を模索しながら、その滞在レポートをお届けしたいと思います。
といっても、ザンビアの保育制度を十分に調べるにはとても時間が足りませんし、専門家でもないレポートに需要もないでしょう。ですから今回皆さんにお届けするのは、どこにでもいる普通の青年園長が、国際貢献を胸に外国に行くとどんなトンデモ出来事が待っているのか、というテーマです。時にはお叱りを受けるような内容や書き方も含まれていますが、出来る限り飾らずに赤裸々な言葉で綴っています。これを通して少しでも皆さまにとって海外との交流が身近なものになることを願っています。
さて、今回のコースは、2018年7月12日から20日までの8日間というとても短い期間でした。格安航空券のウェブサイトから20万円で航空券を購入し、福岡から、香港、ヨハネスブルグ、ザンビアの首都ルサカと2日間にわたって乗り継いだ旅です。さらに帰りには1日かけて同国のビクトリアフォールズという世界最大の滝を見に行ったので(もう二度とアフリカに行くことはないだろう、という気持ちがあったのです)、現地滞在はさらに短い旅程です。
高校時代、地理を嫌って選択しなかった私は、恥ずかしながらザンビアという国を知りませんでした。そんな自分がこの国の旅を選んだのは、養成校の講師をしていた友人が、学校を辞めてJICAボランティアとして滞在しているからです。
その友人、元々はパソコンのインストラクターとして派遣されていたのですが、その学校が新たに幼稚園を設置するようになり、その設立に関わることになりました。海外で幼稚園設立なんてワクワクしませんか?見せたいものがあるから来てみたらいいよ、とメッセージをもらって、二つ返事で「行きます」と答えて半年後の実現でした。
せっかく行くなら、と子どもたちに関するさまざまな場所を見られるアレンジをしてくれた友人には改めて感謝感謝です。また、今回は手記を公開するにあたって、ファクトチェックの校正を引き受けてもらいました。併せて厚くお礼申し上げます。本当にありがとう!
ザンビアは、一言で言えば「福祉支援事業の最前線」。ここには、誰かが誰かを救っていく、ということがむき出しのリアルで展開されています。ストリートチルドレンたちが滞在する溜まり場、孤児院、学校の特別支援学級を旅する中で、さまざまなハプニングや時に日本の保育にとって考えさせられるような体験をしてきました。
元が自分用の手記です。冗長なところは読み飛ばしていただきつつ、どうぞザンビア福祉の旅をお楽しみください。