生きもの植物との付き合い方

その5水辺の生きもの

 水が恋しくなる夏。子どもたちと近くの水辺で生きものに触れてみましょう

1カメ

 基本的に在来種といわれるものは、ニホンイシガメとスッポンだけになりました。
 最近まで在来種といわれていたクサガメ。その名前の由来は、臭いから、また顔にある模様が唐草模様に似ているから、などというのがあります。アカミミガメは、顔の横(人では耳のところ)に赤い模様があります。イシガメは甲羅が黄土色で、中国では「黄金のカメ」として希少価値があるようです。

ニホンイシガメ

 飼育には、甲羅干しや越冬する場所を作る必要があります。できれば、在来の地域のイシガメを飼育してほしいです。

2ザリガニ(アメリカザリガニ)

 外来種で、食用ガエル(ウシガエル)の餌として入ってきました。繁殖力が強いので、田圃に逃げ込んだザリガニは瞬く間に増えてしまい、在来のニホンザリガニは北海道の一部の地域にだけ生息しているといわれています。
 ハサミが大きいほうがオスで、オスとメスで飼育すれば卵を産んでくれます。たくさんのザリガニが生まれるところを、ぜひ観てもらいたいと思います。小さい足で新しい水(酸素)を卵に送る姿はとても愛おしいです。

 しかし、部屋の水槽から持ち出して園庭のすみか水辺で飼育することはお勧めしません。小さい住処すみかにザリガニが入ると、メダカやヤゴなどは根こそぎ食べられてしまいます。なお、外来種ですが、特定外来種には入っていないので移動はできます。

3テナガエビ・サワガニ
テナガエビ

 池のほとりで生活しています。網で水中をごそごそしていると、スジエビやヌマエビも入ることがあります。

赤ちゃんを抱いたメスのサワガニ

 山の河川にはサワガニがいます。オス・メスの区別は、ハサミの大きさと、お腹を観ればわかります。

4ヤゴ(トンボの幼虫)

 トンボは種類によって止水域、山中の流れのあるところで卵を産みます。止水域ではアカネ、シオカラトンボ、ギンヤンマ、ショウジョウトンボなどのヤゴ、山中の流れのあるところではオニヤンマのヤゴ、池などではコシアキトンボ、ウチワヤンマなどのヤゴが見られます。

オニヤンマのヤゴ

 ウスバキトンボは、関西では7月の終わり頃から集団で現れます。アカネと見間違える人もいますが、このト ンボは繁殖しながら北上していきます。水温が4℃以下になるとヤゴは死んでしまうといわれているのに、なぜ北上するのかわかりません。

ギンヤンマのヤゴ

 アカネ(ナツアカネ、アキアカネ)は、夏は山中で暮らし、秋口に里に下りてきて田圃などで卵を産みます。乾田になると卵は眠り、春に人が田圃に水を入れ、代掻しろかきをすると軽い卵は水中の土の上に残ります。水温が上がるとヤゴが生まれ、イネの苗が少し出てきた頃、トンボになって山に帰ります。人がかかわることで生活しているのです。それは、縄文時代の終わり頃から行われてきたことなのです。
飼育方法は、越冬する個体もありますが、水辺に枝や草がないとヤゴからトンボに変態できません。餌がないと共食いを始めます。メダカや水生昆虫(カゲロウ、カワゲラ、ミズムシなど)を入れてください。不完全変態なので、さなぎの時期はありません。

5コオイムシ、ゲンゴロウ、タイコウチ、ハイイロゲンゴロウ

 カメムシ目の仲間で、少し前はどこにでもいた生きものです(タガメはほとんど見ることができなくなりました)。田圃や小さな池で生きているので、網でごそごそしてみてください。自然は、身近にあっても、こちらからアプローチしていかないと気づきません。子どもたちの先頭立って、生きものと触れ合うことが大事なことだと思います。

オスのコオイムシ
タイコウチ
6イモリ(アカハライモリ(井守))

 赤いお腹が特徴です。餌は生きた水生甲虫やオタマジャクシで、オスとメスで飼育すると卵を産んでくれることもあります。水面に空気を吸いに浮きあがった時に捕まえてください。尻尾が丸みを帯びて太いのがオスです。赤いお腹は警戒色で、毒を持っているので飼育には注意が必要です。

 間違いやすいヤモリ(家守)は草の中にいて、カやハエなどを食べて家を守ってくれています。

7ドジョウ

 土でできた田圃の土手と用水路にたくさん暮らしていたドジョウ。以前は泥の中にいてなかなか動かなかったのが、今ではコンクリートでできた用水路でひっそり暮らしています。また、川辺の草のあるところにも暮らしています。見つけてきて、身近に感じてほしい生きものの一種です。

*これらの水生生物は、少し毒を持っているものもいます。触った後は、必ず手洗いをしてください。

小泉造園代表/京都女子大学非常勤講師 小泉昭男