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Report
2026.04.06
第19回青年会議特別セミナー開催報告
2月12日~13日、第19回青年会議特別セミナーを福岡市・アクロス福岡にて開催しました。「多種多様─ 個性が切り拓く新しい未来」をテーマに、全国各地から192人の方々にご参加いただきました。令和7年度は東京から場所を移し、九州・福岡市での開催としましたが、皆様のご協力により、無事に成功裏に終えることができました。今回は2つの講演とパネルディスカッションを中心に報告します。
■講演 ニューロダイバーシティの視点からこれからの保育を考える
講師:村中直人氏(臨床心理士・公認心理師)
臨床心理士・公認心理師として発達障害やニューロダイバーシティ(脳の多様性)の理解と支援を広く推進している村中氏を講師に迎え、講演いただきました。
「平均的な人間」を前提とした社会設計を問い直し、「人は一人一人異なる」という前提に立って環境や制度を再設計する必要性が示されました。認知特性やクロノタイプ(体内時計の個人差)、学習スタイルの違いなどの最新知見を踏まえ、一斉・同質的な教育慣行の見直し、合理的配慮を“特別対応”ではなく“合理的調整”として標準化する視点を提示するお話が展開されました。
また、未就学期の支援のあり方については、「能力を伸ばす」こと以上に「主体的な体験を増やす」環境づくりの重要性が語られました。そして、自閉スペクトラム症やADHDに関する研究知見を踏まえ、特性を価値判断前の“神経の働き方の違い”として捉え直す必要性が共有されました。また、誰もが少数派になり得る社会だからこそ、困りにくい仕組みをあらかじめ通常運用として組み込むことの重要性が示されました。
ニューロダイバーシティは特定の人のための概念ではなく、社会全体の設計思想を問い直す視点であることが強調され、基礎理解から実践のヒントまで幅広く学べる導入的かつ実践的な講演でした。
講演中の村中直人氏
■パネルディスカッション 個性が切り拓く新しい未来へ
パネリスト:帯田英児氏(鹿児島県・川内すわこども園SECOND園長)・岩渕善道氏(福岡県・水城保育園園長)
コーディネーター:星岡剛氏(全私保連青年会議企画部)
続いてのパネルディスカッションでは、日本の園運営とインドネシア・バリでの実践を横断し、「保育の質」と「多様性」を中心に議論するセッションを行いました。
帯田氏は「保育は質の時代」であると述べ、子どもの主体性を軸に据えた園文化の構築について紹介されました。子ども・職員・保護者の三者の視点を統合しながら、質の向上と働き方改革を両輪で進めることが持続可能な園運営の鍵であると語り、チーム保育の実践や月1回の園内研修、「キラキラエピソード」による子どもの育ちの言語化など、日常の営みを通して文化を醸成する取り組みも示されました。また、ゾーニング保育や地域資源を活用したプロジェクト型保育の実践からは、子どもが没頭できる環境を整え、「待つ保育」によって主体性と探究心を育む姿勢について熱く語られました。
一方、岩渕氏は、バリでの園の設立・運営を通じて実践してきた文化融合の取り組みを紹介されました。宗教や社会制度などの根幹は現地文化を尊重しつつ、給食や手洗い、掃除、時間管理といった生活習慣は日本式を選択的に導入する方針です。何を残し、何を変えるかの判断には、地域社会への敬意と長期的視点が重要であると述べられました。また、行政中枢近郊という立地を踏まえた利用者設計や職員の主体性育成、遠隔運営の課題など、国際展開ならではの論点も示されました。
両氏に共通していたのは、「子どもの世界を中心に据える」という姿勢です。放任ではなく、秩序ある環境の中で子どもを信じて待つことで、問題解決力や集中力、他者と協働する力が育まれます。保育の質とは単なる成果指標ではなく、子ども・職員・保護者が安心して挑戦できる心理的安全性の積み重ねの中に立ち上がるものであると感じました。限られた時間でのディスカッションでしたが、大変有意義な時間となりました。
パネルディスカッションの様子
■記念講演 ちがいに出会う
講師:ベビー・ヴァギー氏(ドラァグクイーン)
2日目は、ドラァグクイーンとしてメディアで活躍するベビー・ヴァギー氏に記念講演をお願いしました。ヴァギー氏は理学療法士として急性期医療や心臓リハビリ、がんターミナルなどの臨床経験を積んだ後、東京・新宿2丁目でバーを経営し、現在は NHK Eテレ「バリバラ」への出演や講演活動を通じて多様性理解を発信されています。
講演では、身体的な性・性自認・性的指向・性表現の4要因からセクシュアリティを整理し、性的指向は選択ではないこと、日本では、約9.7~10%が LGBTQ+に該当し、「左利きと同じくらい身近な存在」であると説明されました。さらに用語の変遷や当事者が望む言葉遣い、トランスジェンダーやインターセックスへの誤解、犯罪との混同を避ける視点などを具体的に解説されました。またトイレや更衣室の運用、職場での会話配慮、家族へのカミングアウトの体験談もユーモアを交えて紹介されました。最後に、2023年施行のLGBT理解増進法や海外の 制度動向に触れ、教育は「増やす」のではなく「救う」ためにあること、誰もが自分らしく嘘をつかずに生きられる社会の実現に向け、常識や言葉を更新し続ける重要性が語られました。
ベビー・ヴァギー氏による記念講演
今回の青年会議特別セミナーは、メインテーマである「多種多様」に相応しく、非常に密度の濃い研修となりました。多様性が前提となる時代においては、正解が一つに定まるものではなく、地域や文化、利用者像に応じて問いを立て続け、常にアップデートしていく姿勢が重要であることを改めて実感しました。青年会議は、今後も「らしさ」を大切にしながら、チャレンジ精神を持って取り組みを進めていきたいと考えています。
(福島大輔/全私保連青年会議広報部、岩手県・かがの保育園園長)
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■講演 ニューロダイバーシティの視点からこれからの保育を考える
講師:村中直人氏(臨床心理士・公認心理師)
臨床心理士・公認心理師として発達障害やニューロダイバーシティ(脳の多様性)の理解と支援を広く推進している村中氏を講師に迎え、講演いただきました。
「平均的な人間」を前提とした社会設計を問い直し、「人は一人一人異なる」という前提に立って環境や制度を再設計する必要性が示されました。認知特性やクロノタイプ(体内時計の個人差)、学習スタイルの違いなどの最新知見を踏まえ、一斉・同質的な教育慣行の見直し、合理的配慮を“特別対応”ではなく“合理的調整”として標準化する視点を提示するお話が展開されました。
また、未就学期の支援のあり方については、「能力を伸ばす」こと以上に「主体的な体験を増やす」環境づくりの重要性が語られました。そして、自閉スペクトラム症やADHDに関する研究知見を踏まえ、特性を価値判断前の“神経の働き方の違い”として捉え直す必要性が共有されました。また、誰もが少数派になり得る社会だからこそ、困りにくい仕組みをあらかじめ通常運用として組み込むことの重要性が示されました。
ニューロダイバーシティは特定の人のための概念ではなく、社会全体の設計思想を問い直す視点であることが強調され、基礎理解から実践のヒントまで幅広く学べる導入的かつ実践的な講演でした。
講演中の村中直人氏
■パネルディスカッション 個性が切り拓く新しい未来へ
パネリスト:帯田英児氏(鹿児島県・川内すわこども園SECOND園長)・岩渕善道氏(福岡県・水城保育園園長)
コーディネーター:星岡剛氏(全私保連青年会議企画部)
続いてのパネルディスカッションでは、日本の園運営とインドネシア・バリでの実践を横断し、「保育の質」と「多様性」を中心に議論するセッションを行いました。
帯田氏は「保育は質の時代」であると述べ、子どもの主体性を軸に据えた園文化の構築について紹介されました。子ども・職員・保護者の三者の視点を統合しながら、質の向上と働き方改革を両輪で進めることが持続可能な園運営の鍵であると語り、チーム保育の実践や月1回の園内研修、「キラキラエピソード」による子どもの育ちの言語化など、日常の営みを通して文化を醸成する取り組みも示されました。また、ゾーニング保育や地域資源を活用したプロジェクト型保育の実践からは、子どもが没頭できる環境を整え、「待つ保育」によって主体性と探究心を育む姿勢について熱く語られました。
一方、岩渕氏は、バリでの園の設立・運営を通じて実践してきた文化融合の取り組みを紹介されました。宗教や社会制度などの根幹は現地文化を尊重しつつ、給食や手洗い、掃除、時間管理といった生活習慣は日本式を選択的に導入する方針です。何を残し、何を変えるかの判断には、地域社会への敬意と長期的視点が重要であると述べられました。また、行政中枢近郊という立地を踏まえた利用者設計や職員の主体性育成、遠隔運営の課題など、国際展開ならではの論点も示されました。
両氏に共通していたのは、「子どもの世界を中心に据える」という姿勢です。放任ではなく、秩序ある環境の中で子どもを信じて待つことで、問題解決力や集中力、他者と協働する力が育まれます。保育の質とは単なる成果指標ではなく、子ども・職員・保護者が安心して挑戦できる心理的安全性の積み重ねの中に立ち上がるものであると感じました。限られた時間でのディスカッションでしたが、大変有意義な時間となりました。
パネルディスカッションの様子
■記念講演 ちがいに出会う
講師:ベビー・ヴァギー氏(ドラァグクイーン)
2日目は、ドラァグクイーンとしてメディアで活躍するベビー・ヴァギー氏に記念講演をお願いしました。ヴァギー氏は理学療法士として急性期医療や心臓リハビリ、がんターミナルなどの臨床経験を積んだ後、東京・新宿2丁目でバーを経営し、現在は NHK Eテレ「バリバラ」への出演や講演活動を通じて多様性理解を発信されています。
講演では、身体的な性・性自認・性的指向・性表現の4要因からセクシュアリティを整理し、性的指向は選択ではないこと、日本では、約9.7~10%が LGBTQ+に該当し、「左利きと同じくらい身近な存在」であると説明されました。さらに用語の変遷や当事者が望む言葉遣い、トランスジェンダーやインターセックスへの誤解、犯罪との混同を避ける視点などを具体的に解説されました。またトイレや更衣室の運用、職場での会話配慮、家族へのカミングアウトの体験談もユーモアを交えて紹介されました。最後に、2023年施行のLGBT理解増進法や海外の 制度動向に触れ、教育は「増やす」のではなく「救う」ためにあること、誰もが自分らしく嘘をつかずに生きられる社会の実現に向け、常識や言葉を更新し続ける重要性が語られました。
ベビー・ヴァギー氏による記念講演
今回の青年会議特別セミナーは、メインテーマである「多種多様」に相応しく、非常に密度の濃い研修となりました。多様性が前提となる時代においては、正解が一つに定まるものではなく、地域や文化、利用者像に応じて問いを立て続け、常にアップデートしていく姿勢が重要であることを改めて実感しました。青年会議は、今後も「らしさ」を大切にしながら、チャレンジ精神を持って取り組みを進めていきたいと考えています。