本研修会を通じて得られた成果を大きく3点にまとめます。 ① 保育制度の最新情報と現場実践の結びつき
松本氏の講演を通じ、処遇改善制度に関する最新の知識を得るとともに、それをどのように園運営へ生かすかの具体的視点を学ぶことができました。 ② 保育の理念的深化と社会的役割の再確認
山本氏の講演を通じ、保育が単なる子育て支援にとどまらず、社会の持続可能性を支える重要な営みであることを再確認できました。 ③ 全国規模のネットワークの強化
情報交換会を含め、参加者同士が地域、団体の垣根を越えて学び合い、次回以降にもつながる連携の芽が育まれました。
一方で、今後の課題も浮き彫りになりました。まずは、両講演が大変好評であった反面、「もっと聞きたい」「質問できる時間が短い」という声が寄せられました。今後の研修設計においては、講師と参加者がより双方向にコミュニケーションをとれる仕組みを検討する必要があると感じます。また、150人を上回るという参加規模を受け、運営体制のさらなる強化や、参加者の多様なニーズに応じたプログラム編成も今後の検討課題と言えます。
そのような課題が明らかになったことも含めて、今回の合同研修会の成果だと思っています。これからも、青年世代が中心となって保育界全体を盛り上げていけるよう努力していきたいと思います。
今回の研修会を支えてくださったすべての方々、そしてともに学び合った仲間に心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。
最初の講演は、(株)福祉総研上席研究員・松本和也氏による「新しい処遇改善の留意点」についてのお話でした。
松本氏は、保育士の処遇改善が近年どのように制度化されてきたのか、その背景と今後の見通しについて、具体的なデータとともに解説してくださいました。特に、処遇改善加算の制度設計における課題や現場での運用上の注意点は、参加者にとって非常にわかりやすく実践的で、大変参考になる内容でした。人材育成と処遇改善をどのように結びつけていくかについても言及があり、今後の園運営に直結する示唆を与えていただきました。
会場では、熱心にメモを取る姿が見られ、講演後には「もっと時間がほしかった」「さらに深いところまで聞きたかった」などの声が相次ぎ、個別に質問に行く参加者も多く見られました。今回の処遇改善加算の変更に対する関心の高さが如実に現われている光景でした。
続いては滋賀大学准教授・山本一成氏により、「生きているものどうしの想像力─保育が紡ぐサステナビリティ」というテーマで2つ目の講演が行われました。
山本氏は、持続可能な社会における保育の意義を、哲学的かつ具体的に語ってくださいました。子どもを「未来の担い手」ではなく「今を生きる存在」として捉え、その感性や想像力を尊重する保育のあり方が、社会全体のサステナビリティにつながるという視点は、多くの参加者の心に深く響いたのではないかと感じました。また、自然との関わり、命との向き合い方をどのように保育の中で伝えていくかというテーマは、日々の実践に直結する問いかけでもありました。
質疑応答の時間も設けてくださり、参加者との活発な意見交換が行われ、こちらもまさに「時間が足りない」と感じられるほど濃密な学びの時間となりました。園長や経営層はもとより、現場で子どもたちと向き合っている保育士の方々にとって、新しい気づきにたくさん出会えた講演でした。
研修終了後には情報交換会が開かれ、講師の方も含め、およそ100人が参加しました。会場は終始和やかな雰囲気に包まれ、所属団体や地域の違いを越えて交流が広がりました。ここでは、研修内容を踏まえた意見の交換や、それぞれの園で抱える課題の共有が活発に行われ、参加者同士の未来につながる出会いや、貴重な関係性を構築する機会となりました。会の途中では、両団体の役員や諸先輩方からも温かい激励の言葉が寄せられ、我々青年世代が今後さらに力を合わせて歩んでいくことへの期待を改めて痛感しました。
① 保育制度の最新情報と現場実践の結びつき
松本氏の講演を通じ、処遇改善制度に関する最新の知識を得るとともに、それをどのように園運営へ生かすかの具体的視点を学ぶことができました。
② 保育の理念的深化と社会的役割の再確認
山本氏の講演を通じ、保育が単なる子育て支援にとどまらず、社会の持続可能性を支える重要な営みであることを再確認できました。
③ 全国規模のネットワークの強化
情報交換会を含め、参加者同士が地域、団体の垣根を越えて学び合い、次回以降にもつながる連携の芽が育まれました。
一方で、今後の課題も浮き彫りになりました。まずは、両講演が大変好評であった反面、「もっと聞きたい」「質問できる時間が短い」という声が寄せられました。今後の研修設計においては、講師と参加者がより双方向にコミュニケーションをとれる仕組みを検討する必要があると感じます。また、150人を上回るという参加規模を受け、運営体制のさらなる強化や、参加者の多様なニーズに応じたプログラム編成も今後の検討課題と言えます。
そのような課題が明らかになったことも含めて、今回の合同研修会の成果だと思っています。これからも、青年世代が中心となって保育界全体を盛り上げていけるよう努力していきたいと思います。
今回の研修会を支えてくださったすべての方々、そしてともに学び合った仲間に心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。
日保協青年部・中西淳也部長
講演中の松本和也氏
講演中の山本一成氏
研修会の様子
日保協・吉田 学理事長
全私保連青年会議・伊藤 悟会長