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Report
2024.05.08
全私保連青年会議
令和5年度の振り返りとこれから
新型コロナウイルスも収束し、ようやく日常を取り戻し始めた令和5年度の始まりとともに、我々全私保連青年会議は新体制として動き出しました。4月に開庁されたこども家庭庁と、同時に施行されたこども基本法が、現在の日本における子ども・子育ての重要性を表しています。このような時期に、このような組織で活動できることは、楽しみでもありながら、身の引き締まる思いです。
前年度まで、会長として長い間青年会議を牽引してくれた横山先生(宮崎県)、企画部長の松山先生(茨城県)、広報部長の帯田先生(鹿児島県)、総務部長の遠藤先生(岩手県)の役員4名は次のステージに進まれ、その他複数、各地域組織の幹事が交代するなど顔ぶれは大きく変わりました。これまで青年会議に多くの功績を残してきた方々がいなくなってしまったことに大きな寂しさを感じながら、それよりもっと大きな感謝の気持ちで一杯になったことを鮮明に覚えています。お世話になった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
さて、前述の通り、経験や実績を持った方々がたくさん抜けてしまった青年会議ですが、5月に行われた新体制としての初回の幹事会では、独特の雰囲気と緊張感の中、新たな役員、幹事たちと、自分たちには何が求められ、何ができるかを考えていくこと、そして時代にあった青年会議を創っていきたいという思いを共有しました。その後の情報交換会、そして各部会の中では皆の距離も徐々に縮まり、活発に熱く話し合う場面を見ることができました。
■主な活動の振り返り
まず、6月に徳島で行われた第65回全国私立保育研究大会。今回も青年会議(研修部)で分科会を1つ担当することになりました。コロナ禍で大きく変わった外部研修、園内研修のあり方、またそこで得たものをどのように園の中に浸透させていくかに焦点を当てた時、職場の人間関係や空気が大切で、どこまで行ってもやはり最後は「人」であろうと、人材育成をテーマに企画しました。講師には、ディズニーランドのアトラクション責任者やディズニーシーの立ち上げに携わるなどオリエンタルランドで長年活躍された、接客向上委員会&Peace 代表の石坂秀己氏をお招きしました。アイスブレイクで完全に会場は温まり、グループワーク中心でインタラクティブな研修は一瞬の眠気も誘わず、笑いあり、喜びあり、感動あり、そして何より翌日から実践できる具体性を持っていました。参加者満足度も、他のどの分科会にも劣っていないと確信できました。
実際、「他の職員にも聞いてほしかった」「もう一度同じコンセプトで企画してほしい」との声を多数いただき、今年度6月開催の栃木大会でも同様の分科会を設定しました。さらにアップデートした研修になります。多くの方の参加をお待ちしています。そして我々にとって、令和5年度最大のイベント となった全私保連青年会議広島大会。前年度、新型コロナウイルスの影響が心配される中、見事大成功をおさめた愛知大会からバトンを渡され、11月1日は広島国際会議場、翌日はJMSアステールプラザにて開催しました。大会テーマは「こどもたちと平和な未来を~そりゃあ平和が一番じゃろぉ~」。広島ならではの想いと願いを全面に押し出し、ここでしか学べない、そして感じることのできない経験を参加者の皆様に提供すべく、準備を重ねました。
大会初日の広島プログラムではバーゲル・ルミ氏による平和絵本の朗読、そして重野友歌氏による被爆ピアノ演奏を聴かせてもらいました。その後、平和記念公園・碑めぐりフィールドワークを行い、あらためて戦争の愚かさを痛感し、そんな未来を決して迎えてはならないという思いを再確認しました。分科会の講師陣も、広島都市学園大学准教授の二宮孝司氏、広島県三原市に本社を構える(株)八天堂代表の森光孝雅氏など、広島にゆかりのある方々を多数お招きし、明日からの保育を考える大きなヒントを得ることができました。
大会2日目は、やはり広島出身、世界陸上トラック種目で日本人初のメダリストとなった為末大氏の記念講演から始まりました。ご自身の育てられ方や陸上競技を通じての経験から、自ら育とうとしている子どもたちにどのように関わればよいのか、子どもたちの未来をつくるために、大人はどのような問いを投げかければよいのかなど、世界のトップまで登り詰めた人間だからこそ語れるのであろう、大変貴重なお話を聞くことができました。さらに、昨年 5月開催のG7広島サミットにて被爆体験証言をした小倉桂子氏による講演も設けました。決して忘れてはいけない広島の歴史をかつてないほどリアルに知ることができました。同時に、自分たちだけが平和であればよいというわけではなく、世界の皆が全員の幸せを願うからこそ成し得るという言葉が、深く刺さりました。
実行委員長を務めてくれた龍山先生をはじめ、委員の皆様、当日の現地スタッフの皆様、その他多くの方々のご協力により、無事に大会を終えることができました。残念ながら、ロシアのウクライナ侵攻など、今も続いている世界中の衝突に胸を痛めながらも、平和を諦めない強い気持ちと、目の前の子どもたち、そして保育現場が戦争から一番遠い場所であってほしいという願いを共有し、真剣に子どもたちの未来を想って語り合う2日間を過ごすことができたと思っています。お忙しい中ご参加いただいた 550名の参加者の皆様に改めて感謝申し上げます。
年明けの2月に東京・浅草ビューホテルで開催した第17回青年会議特別セミナーにも、定員150名を超える申し込みをいただきました。今回は前述の徳島大会や広島大会とはまったく違う、青年会議ならではの研修を企画しました。テーマは「激動の時代に突入した今、決断する準備はできているか。~変革の時は今~」。少子化が予想を遥かに超えるスピードで進む中、その現実に向き合い、10年後を見据えた視点を持って考え、自分たちは今、どこへ向かうべきか。世界ゆるスポーツ協会から代表理事の澤田智洋氏、ソニー・ミュージックレーベルズから梶望氏、NPO法人HOCARIから天田卓良氏など、保育とはまったく別の業界から講師を迎え、これからの時代に必要な新しい物事の見方や切り口を聞くことができ、園運営の大きなヒントを得ることができました。次年度も青年らしさを前面に出したセミナーを企画しますので、ぜひご参加ください。
■さらにブラッシュアップした青年会議に!
ここまで、研修を中心に振り返ってきましたが、もちろん青年会議の活動はそれだけに止まりません。各部ごと、複数回にわたる部会の開催、視察、調査研究、広報活動など、ここには書ききれませんが、令和5年度もさまざまな活動を行いました。幹事の皆様は法人の理事長、園長であったりと、各々多忙な日々を過ごしている方ばかりです。そんな中にあっても、この青年会議のために時間を使い、力を貸してくれることを本当にありがたく思います。次年度は、この1年の経験を踏まえ、さらにブラッシュアップした青年会議にしていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします。
最後に、常に青年会議を温かく見守り、背中を押してくださる川下会長をはじめ、役員の皆様に心から感謝申し上げます。これからも、「『こども真ん中社会』の実現」に向け、青年会議も尽力します。今後ともよろしくお願いいたします。
(伊藤 悟/全私保連青年会議会長)
青年会議幹事会のメンバー
伊藤 悟 青年会議会長
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前年度まで、会長として長い間青年会議を牽引してくれた横山先生(宮崎県)、企画部長の松山先生(茨城県)、広報部長の帯田先生(鹿児島県)、総務部長の遠藤先生(岩手県)の役員4名は次のステージに進まれ、その他複数、各地域組織の幹事が交代するなど顔ぶれは大きく変わりました。これまで青年会議に多くの功績を残してきた方々がいなくなってしまったことに大きな寂しさを感じながら、それよりもっと大きな感謝の気持ちで一杯になったことを鮮明に覚えています。お世話になった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
さて、前述の通り、経験や実績を持った方々がたくさん抜けてしまった青年会議ですが、5月に行われた新体制としての初回の幹事会では、独特の雰囲気と緊張感の中、新たな役員、幹事たちと、自分たちには何が求められ、何ができるかを考えていくこと、そして時代にあった青年会議を創っていきたいという思いを共有しました。その後の情報交換会、そして各部会の中では皆の距離も徐々に縮まり、活発に熱く話し合う場面を見ることができました。
■主な活動の振り返り
まず、6月に徳島で行われた第65回全国私立保育研究大会。今回も青年会議(研修部)で分科会を1つ担当することになりました。コロナ禍で大きく変わった外部研修、園内研修のあり方、またそこで得たものをどのように園の中に浸透させていくかに焦点を当てた時、職場の人間関係や空気が大切で、どこまで行ってもやはり最後は「人」であろうと、人材育成をテーマに企画しました。講師には、ディズニーランドのアトラクション責任者やディズニーシーの立ち上げに携わるなどオリエンタルランドで長年活躍された、接客向上委員会&Peace 代表の石坂秀己氏をお招きしました。アイスブレイクで完全に会場は温まり、グループワーク中心でインタラクティブな研修は一瞬の眠気も誘わず、笑いあり、喜びあり、感動あり、そして何より翌日から実践できる具体性を持っていました。参加者満足度も、他のどの分科会にも劣っていないと確信できました。
実際、「他の職員にも聞いてほしかった」「もう一度同じコンセプトで企画してほしい」との声を多数いただき、今年度6月開催の栃木大会でも同様の分科会を設定しました。さらにアップデートした研修になります。多くの方の参加をお待ちしています。そして我々にとって、令和5年度最大のイベント となった全私保連青年会議広島大会。前年度、新型コロナウイルスの影響が心配される中、見事大成功をおさめた愛知大会からバトンを渡され、11月1日は広島国際会議場、翌日はJMSアステールプラザにて開催しました。大会テーマは「こどもたちと平和な未来を~そりゃあ平和が一番じゃろぉ~」。広島ならではの想いと願いを全面に押し出し、ここでしか学べない、そして感じることのできない経験を参加者の皆様に提供すべく、準備を重ねました。
大会初日の広島プログラムではバーゲル・ルミ氏による平和絵本の朗読、そして重野友歌氏による被爆ピアノ演奏を聴かせてもらいました。その後、平和記念公園・碑めぐりフィールドワークを行い、あらためて戦争の愚かさを痛感し、そんな未来を決して迎えてはならないという思いを再確認しました。分科会の講師陣も、広島都市学園大学准教授の二宮孝司氏、広島県三原市に本社を構える(株)八天堂代表の森光孝雅氏など、広島にゆかりのある方々を多数お招きし、明日からの保育を考える大きなヒントを得ることができました。
大会2日目は、やはり広島出身、世界陸上トラック種目で日本人初のメダリストとなった為末大氏の記念講演から始まりました。ご自身の育てられ方や陸上競技を通じての経験から、自ら育とうとしている子どもたちにどのように関わればよいのか、子どもたちの未来をつくるために、大人はどのような問いを投げかければよいのかなど、世界のトップまで登り詰めた人間だからこそ語れるのであろう、大変貴重なお話を聞くことができました。さらに、昨年 5月開催のG7広島サミットにて被爆体験証言をした小倉桂子氏による講演も設けました。決して忘れてはいけない広島の歴史をかつてないほどリアルに知ることができました。同時に、自分たちだけが平和であればよいというわけではなく、世界の皆が全員の幸せを願うからこそ成し得るという言葉が、深く刺さりました。
実行委員長を務めてくれた龍山先生をはじめ、委員の皆様、当日の現地スタッフの皆様、その他多くの方々のご協力により、無事に大会を終えることができました。残念ながら、ロシアのウクライナ侵攻など、今も続いている世界中の衝突に胸を痛めながらも、平和を諦めない強い気持ちと、目の前の子どもたち、そして保育現場が戦争から一番遠い場所であってほしいという願いを共有し、真剣に子どもたちの未来を想って語り合う2日間を過ごすことができたと思っています。お忙しい中ご参加いただいた 550名の参加者の皆様に改めて感謝申し上げます。
年明けの2月に東京・浅草ビューホテルで開催した第17回青年会議特別セミナーにも、定員150名を超える申し込みをいただきました。今回は前述の徳島大会や広島大会とはまったく違う、青年会議ならではの研修を企画しました。テーマは「激動の時代に突入した今、決断する準備はできているか。~変革の時は今~」。少子化が予想を遥かに超えるスピードで進む中、その現実に向き合い、10年後を見据えた視点を持って考え、自分たちは今、どこへ向かうべきか。世界ゆるスポーツ協会から代表理事の澤田智洋氏、ソニー・ミュージックレーベルズから梶望氏、NPO法人HOCARIから天田卓良氏など、保育とはまったく別の業界から講師を迎え、これからの時代に必要な新しい物事の見方や切り口を聞くことができ、園運営の大きなヒントを得ることができました。次年度も青年らしさを前面に出したセミナーを企画しますので、ぜひご参加ください。
■さらにブラッシュアップした青年会議に!
ここまで、研修を中心に振り返ってきましたが、もちろん青年会議の活動はそれだけに止まりません。各部ごと、複数回にわたる部会の開催、視察、調査研究、広報活動など、ここには書ききれませんが、令和5年度もさまざまな活動を行いました。幹事の皆様は法人の理事長、園長であったりと、各々多忙な日々を過ごしている方ばかりです。そんな中にあっても、この青年会議のために時間を使い、力を貸してくれることを本当にありがたく思います。次年度は、この1年の経験を踏まえ、さらにブラッシュアップした青年会議にしていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします。
最後に、常に青年会議を温かく見守り、背中を押してくださる川下会長をはじめ、役員の皆様に心から感謝申し上げます。これからも、「『こども真ん中社会』の実現」に向け、青年会議も尽力します。今後ともよろしくお願いいたします。
青年会議幹事会のメンバー
伊藤 悟 青年会議会長