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Report
2024.01.05
第42回 公益社団法人 全国私立保育連盟 青年会議広島大会報告
■はじめに
「こどもたちと平和な未来をーそりゃあ 平和が一番じゃろぉ」をテーマに、2023年11月1日・2日、広島市にて青年会議広島大会を開催しました。
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後初の開催となった本大会は、対面参集型として、じつに549名の方にご参加いただくことができました。
本稿では、子どもの姿を想像しながら、未来の平和について考えるきっかけとなった2日間の様子をご紹介します。
■第1日目(11月1日)開会式・全体会・分科会
〈開会式・全体会〉
開会式では、開催地を代表して、龍山 浄大会実行委員長が歓迎の挨拶を述べ、川下勝利全私保連会長、伊藤 悟全私保連青年会議会長が主催者代表挨拶を行いました。また来賓として、広島市副市長・前 健一様、(社福)日本保育協会青年部長・新保雄希様より、御祝辞をいただきました。
続いて、全体会「広島プログラム①」を行いました。
最初のバーゲル・ルミ氏による「平和の絵本の朗読」では『へいわってすてきだね』『おこりじぞう』を朗読していただきました。次に重野友歌氏による「被爆ピアノの演奏」では、プーランク作曲の「ノクターン」他3曲の演奏、最後に「青い空は」で、東岸昌真副実行委員長の独唱が音色に重なりました。
絵本の読み聞かせの声と被爆ピアノの音色は、私たちに当時の様子を語りかけているかのようでした。
「広島プログラム②」の「平和記念公園・碑めぐりフィールドワーク」では、原爆で亡くなられたさまざまな方の慰霊碑や遺構を巡りました。その傍らで、海外からの観光客や修学旅行生へ地道に説明に立っていらっしゃるピースボランティアの方々の姿を拝見し、我々もまた、自らの祖父母世代の経験を子どもたちへ語り継ぐ役割を担っているのだと痛感しました。
第1日目・フィールドワークの様子
〈第1分科会・多文化共生〉
違いを乗り越え、多文化共生をめざす教育・保育とは
広島都市学園大学准教授の二宮孝司氏に、氏の取り組みを踏まえながら、「多文化共生」とは「国籍や生まれが異なる人々が互いに文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら地域社会の構成員として共に生きていく社会」であるということについて、ご講演をいただきました。
過去に、二宮氏がある小学校の校長をされていた時、多様なルーツを持つ子どもたちが自身の生まれを否定され、自尊心が育たないという状況がありました。そこで氏は、学校の目標を自尊感情・多文化共生・人権教育(安心できること、否定されないこと)として指導を続けられるようになり、子どもたちは確かな学力と違いを認め合う自己表現を身につけて卒業していくようになりました。
子どもたちはお互いを理解し、関係をより良くしていく力を元来持っている、その力を大切にすることで、対立から多様性への理解を全体に育めた事例をお聞きしました。
〈第2分科会・組織作り〉
子どもが自ら考えて行動する力を育むボトムアップ理論
(一社)ボトムアップパーソンズ協会代表理事の畑喜美夫氏に、「ボトムアップ理論」についてお話しいただきました。
畑氏は「ストローク主体性コミュニケーション」を提唱し、「いいね!」の、良いストロークを通じてお互いを認め合うという手段を強調されました。ストローク実験トレーニングでは、拍手や笑顔でのコミュニケーションを通じてwin-win の関係を築けることがわかりました。
「ボトムアップ理論」は、経営管理の新しいアプローチで、最初に現場の意見を取り入れつつ、トップダウンと融合させることが重要とされています。そのためには五感を活用し、観察、感じ取り、気づき、判断、実行等を通じて認知するプロセスを意識することです。
そして、なぜ組織内でのコミュニケーションが大切かというと、相手を理解することで動きが早くなり、相手を支えサポートできるからです。自己認識を高め、全員がリーダーとの考え方を提唱されています。リーダーシップとは、役職に依存せず、学習能力と影響力に基づくものと説明されました。
ハイタッチやシェアタイムを通じて、仲間意識や挑戦することの大切さを説かれ、失敗も挑戦の機会と捉えて、PDCAサイクルを通じて成長することを奨励されています。「1秒の言葉」を大切にし、優しさや勇気を「伝える力」が重要とまとめられました。
人のやる気を底上げするためには「質問」を通じてアイディアを引き出し、心の整理と整頓をさせることが特に重要と説明されました。そのため風土改革は重要で、組織は「風によって働く」として、良い風を保つことが主体性とモチベーション向上につながると述べられました。
〈第3分科会・保育〉
あそびと あそび心こそ 平和の原点
北海道大学大学院准教授の川田 学氏にお話しいただきました。
本講義では、子ども時代の遊びに関わる保育者はお互いに「あそび心」を共有し、未熟だった頃の自分を出会わせることの大切さが強調されました。また、「あそび」を考える際に「あそびA」と「あそびB」の2つの観点からアプローチし、子どもの心の動きや状態を捉えることが肝要と述べられました。
「あそびA」は活動そのものが目的で、心の動きが中核である一方で、「あそびB」は遊びを支える環境や余裕を指し、ワクワクやドキドキといった心の状態を促進する役割が重要とされました。保育者は「あそび心」を持ち、内側に入る意識を保つことで、子どもの遊びを豊かにし、心の成長を促進する役割を果たすことが期待されています。講義には予定を上回る参加者があり、盛況裡に進行されました。
〈第4分科会・保育実践〉
保育を語り合う「協働型」園内研修のすすめ
広島大学大学院教授の中坪史典氏にお話しいただきました。
楽しく保育を語り合うことが継続的に行える「協働型」園内研修の取り組み方、ファシリテーターや研修コーディネーターが意識することを教えていただきました。ファシリテーターが園内研修でのプレッシャーを理解し、そのプレッシャーを取り除くように心がけることで、研修時の心理的安全性を担保できることをお話しいただきました。また、同僚性がうまく築かれていない場合、すぐに発言することが困難になります。そんな時に付箋を使って自分の考えを可視化するような働きかけや、お菓子や飲み物を用意して、意見が出しやすい和やかな雰囲気を作ることなどが有効であることも学びました。
第4分科会の様子
〈第5分科会・経営〉
人生、今日がはじまり 三方よしへの挑戦
(株)八天堂代表取締役の森光孝雅氏に、「当社の理念」経営を軸としたマネジメントのあり方についてお話しいただきました。 冒頭で八天堂90周年記念動画を視聴し、会社について理念等を説明されました。
基本理念「あなたと出会えてよかったと一人でも多くの人に言ってもらえる人になる」、経営理念「良い品・良い人・良い会社作り」、座右の銘「人生、今日がはじまり」、それらをもとに「三方よしへの挑戦」を掲げ、①自己、②他者、③取引先・顧客のすべてにとっての利益を考えることが大切とのこと。それを成せる名リーダーとは、逆境に挑み、変革を経て成長していける存在で、「目標は高く設定すべき。その時、応援される力、周囲を巻き込む力に着目しよう」と語られました。
そして、「人は経験を積めば積むほど一人の力の限界を知らされる。その時、その人物が進歩するか、衰えるか、二択である」との考えを示されました。また、どんな経営理念も人々の心に響かなければ意味がなく、成功の秘訣は、熱意×考え×能力だと教えられました。
経営者はビジョンを持ち、10年後を考え、人への投資が不可欠なのです。森光氏の経験から、採用と育成はセットであり、人の成長こそが事業の成否に影響するとのこと。マネジメントとは人の心を引きつけるためになすものであり、「習慣」が人格を形成するとの信念をもっていらっしゃいました。
最後に、「もし『愚痴』を言うなら、それを『課題』と言い変えてみようという積極的な姿勢が大切だ」と説かれました。
■第2日目(11月2日)情勢報告・記念講演・閉会式
〈情勢報告〉
全私保連常務理事の齊藤 勝氏より、「こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会」等、また保育三団体の取り組みの報告をいただきました。
「人勧および処遇改善」「こども誰でも通園制度(仮称)」などの施策の背景にある「こども施策に関する基本的な方針」「子ども未来戦略方針」「こども・子育て支援加速化プラン」などを見出し、こども家庭庁からの情報を読み解き、各地域の実情に照らして敏感に対応していくことが肝要と語られました。
〈記念講演①〉
子どもたちの未来をつくる
Deportare Partners 代表/元陸上選手の為末大氏にお話しいただきました。氏は、保育・教育における「応援」「伴走」「質問」の大切さについて示されました。
自分の力で成長している子どもたちにとって、時にアドバイスは子どもの成長に逆効果ともなることもあります。私たちは、まず目の前の子どもの姿から、何を必要としているのかを見極め、どのような問いを使えば子どもが未来に向けて自己分析する思考になるのか考え、答えを渡すのではなく伴走することに重きを置いたマネジメントの重要性について気づかせてもらいました。
講演中の為末 大氏
〈記念講演②〉
被爆体験を語る
2023年5月に行われたG7広島サミットで、各国首脳へ被爆体験証言を行った、小倉桂子氏による講演が行われました。被爆当時の凄惨な状況を、資料を交えながら丁寧にお話しいただきました。
氏が語られた「私たちの国だけ平和になればよいというものではなく、平和とは皆が全員の幸せを願うからこそなしえること」という言葉は、我々が今後国際人として常に意識しなければならない言葉だと感じました。
講演中の小倉桂子氏
■おわりに
今回、広島市で青年会議全国大会を開催するにあたり、テーマ・趣旨文の策定には前回の広島大会である第26回大会(2006年)を参考に、広島市ならではの「平和学習」を全参加者に共有していただけるよう「広島プログラム」を企画・実施させていただきました。
また広島市には、開催地自治体として後援のみならず、会場や「平和文化月間行事」認証など、ソフト・ハードともにご協力をいただき感謝申し上げます。
ご参加の皆様とともに語り合いと学びのある2日間を盛会となすことができ、地元実行委員会一同重ねて御礼申し上げます。しかし一方では、各地で続く紛争に否応なく子どもたちが巻き込まれているシーンが日々報道され、無力感に苛まれるタイミングの開催でもありました。
それでも、私たち大会実行委員会が大会後に実施した参加者アンケートでの「今後、身近な方(家族・同僚・園児)と平和について語り合おうと思われますか」の問いに、本稿執筆時までに回答された方124名の9割が「思う」「既に語り合った」と肯定されていました。
約500名が日本各地より広島に集ったことは、それぞれの施設や地域に、平和について語る機会を確かに齎したということです。この取り組みは、必ずや平和な未来へつながると信じております。
青年会議東京大会で、またお会いしましょう。
(広島大会実行委員会一同)
広島大会実行委員会集合!
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「こどもたちと平和な未来をーそりゃあ 平和が一番じゃろぉ」をテーマに、2023年11月1日・2日、広島市にて青年会議広島大会を開催しました。
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後初の開催となった本大会は、対面参集型として、じつに549名の方にご参加いただくことができました。
本稿では、子どもの姿を想像しながら、未来の平和について考えるきっかけとなった2日間の様子をご紹介します。
■第1日目(11月1日)開会式・全体会・分科会
〈開会式・全体会〉
開会式では、開催地を代表して、龍山 浄大会実行委員長が歓迎の挨拶を述べ、川下勝利全私保連会長、伊藤 悟全私保連青年会議会長が主催者代表挨拶を行いました。また来賓として、広島市副市長・前 健一様、(社福)日本保育協会青年部長・新保雄希様より、御祝辞をいただきました。
続いて、全体会「広島プログラム①」を行いました。
最初のバーゲル・ルミ氏による「平和の絵本の朗読」では『へいわってすてきだね』『おこりじぞう』を朗読していただきました。次に重野友歌氏による「被爆ピアノの演奏」では、プーランク作曲の「ノクターン」他3曲の演奏、最後に「青い空は」で、東岸昌真副実行委員長の独唱が音色に重なりました。
絵本の読み聞かせの声と被爆ピアノの音色は、私たちに当時の様子を語りかけているかのようでした。
「広島プログラム②」の「平和記念公園・碑めぐりフィールドワーク」では、原爆で亡くなられたさまざまな方の慰霊碑や遺構を巡りました。その傍らで、海外からの観光客や修学旅行生へ地道に説明に立っていらっしゃるピースボランティアの方々の姿を拝見し、我々もまた、自らの祖父母世代の経験を子どもたちへ語り継ぐ役割を担っているのだと痛感しました。
第1日目・フィールドワークの様子
〈第1分科会・多文化共生〉
違いを乗り越え、多文化共生をめざす教育・保育とは
広島都市学園大学准教授の二宮孝司氏に、氏の取り組みを踏まえながら、「多文化共生」とは「国籍や生まれが異なる人々が互いに文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら地域社会の構成員として共に生きていく社会」であるということについて、ご講演をいただきました。
過去に、二宮氏がある小学校の校長をされていた時、多様なルーツを持つ子どもたちが自身の生まれを否定され、自尊心が育たないという状況がありました。そこで氏は、学校の目標を自尊感情・多文化共生・人権教育(安心できること、否定されないこと)として指導を続けられるようになり、子どもたちは確かな学力と違いを認め合う自己表現を身につけて卒業していくようになりました。
子どもたちはお互いを理解し、関係をより良くしていく力を元来持っている、その力を大切にすることで、対立から多様性への理解を全体に育めた事例をお聞きしました。
〈第2分科会・組織作り〉
子どもが自ら考えて行動する力を育むボトムアップ理論
(一社)ボトムアップパーソンズ協会代表理事の畑喜美夫氏に、「ボトムアップ理論」についてお話しいただきました。
畑氏は「ストローク主体性コミュニケーション」を提唱し、「いいね!」の、良いストロークを通じてお互いを認め合うという手段を強調されました。ストローク実験トレーニングでは、拍手や笑顔でのコミュニケーションを通じてwin-win の関係を築けることがわかりました。
「ボトムアップ理論」は、経営管理の新しいアプローチで、最初に現場の意見を取り入れつつ、トップダウンと融合させることが重要とされています。そのためには五感を活用し、観察、感じ取り、気づき、判断、実行等を通じて認知するプロセスを意識することです。
そして、なぜ組織内でのコミュニケーションが大切かというと、相手を理解することで動きが早くなり、相手を支えサポートできるからです。自己認識を高め、全員がリーダーとの考え方を提唱されています。リーダーシップとは、役職に依存せず、学習能力と影響力に基づくものと説明されました。
ハイタッチやシェアタイムを通じて、仲間意識や挑戦することの大切さを説かれ、失敗も挑戦の機会と捉えて、PDCAサイクルを通じて成長することを奨励されています。「1秒の言葉」を大切にし、優しさや勇気を「伝える力」が重要とまとめられました。
人のやる気を底上げするためには「質問」を通じてアイディアを引き出し、心の整理と整頓をさせることが特に重要と説明されました。そのため風土改革は重要で、組織は「風によって働く」として、良い風を保つことが主体性とモチベーション向上につながると述べられました。
〈第3分科会・保育〉
あそびと あそび心こそ 平和の原点
北海道大学大学院准教授の川田 学氏にお話しいただきました。
本講義では、子ども時代の遊びに関わる保育者はお互いに「あそび心」を共有し、未熟だった頃の自分を出会わせることの大切さが強調されました。また、「あそび」を考える際に「あそびA」と「あそびB」の2つの観点からアプローチし、子どもの心の動きや状態を捉えることが肝要と述べられました。
「あそびA」は活動そのものが目的で、心の動きが中核である一方で、「あそびB」は遊びを支える環境や余裕を指し、ワクワクやドキドキといった心の状態を促進する役割が重要とされました。保育者は「あそび心」を持ち、内側に入る意識を保つことで、子どもの遊びを豊かにし、心の成長を促進する役割を果たすことが期待されています。講義には予定を上回る参加者があり、盛況裡に進行されました。
〈第4分科会・保育実践〉
保育を語り合う「協働型」園内研修のすすめ
広島大学大学院教授の中坪史典氏にお話しいただきました。
楽しく保育を語り合うことが継続的に行える「協働型」園内研修の取り組み方、ファシリテーターや研修コーディネーターが意識することを教えていただきました。ファシリテーターが園内研修でのプレッシャーを理解し、そのプレッシャーを取り除くように心がけることで、研修時の心理的安全性を担保できることをお話しいただきました。また、同僚性がうまく築かれていない場合、すぐに発言することが困難になります。そんな時に付箋を使って自分の考えを可視化するような働きかけや、お菓子や飲み物を用意して、意見が出しやすい和やかな雰囲気を作ることなどが有効であることも学びました。
第4分科会の様子
〈第5分科会・経営〉
人生、今日がはじまり 三方よしへの挑戦
(株)八天堂代表取締役の森光孝雅氏に、「当社の理念」経営を軸としたマネジメントのあり方についてお話しいただきました。 冒頭で八天堂90周年記念動画を視聴し、会社について理念等を説明されました。
基本理念「あなたと出会えてよかったと一人でも多くの人に言ってもらえる人になる」、経営理念「良い品・良い人・良い会社作り」、座右の銘「人生、今日がはじまり」、それらをもとに「三方よしへの挑戦」を掲げ、①自己、②他者、③取引先・顧客のすべてにとっての利益を考えることが大切とのこと。それを成せる名リーダーとは、逆境に挑み、変革を経て成長していける存在で、「目標は高く設定すべき。その時、応援される力、周囲を巻き込む力に着目しよう」と語られました。
そして、「人は経験を積めば積むほど一人の力の限界を知らされる。その時、その人物が進歩するか、衰えるか、二択である」との考えを示されました。また、どんな経営理念も人々の心に響かなければ意味がなく、成功の秘訣は、熱意×考え×能力だと教えられました。
経営者はビジョンを持ち、10年後を考え、人への投資が不可欠なのです。森光氏の経験から、採用と育成はセットであり、人の成長こそが事業の成否に影響するとのこと。マネジメントとは人の心を引きつけるためになすものであり、「習慣」が人格を形成するとの信念をもっていらっしゃいました。
最後に、「もし『愚痴』を言うなら、それを『課題』と言い変えてみようという積極的な姿勢が大切だ」と説かれました。
■第2日目(11月2日)情勢報告・記念講演・閉会式
〈情勢報告〉
全私保連常務理事の齊藤 勝氏より、「こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会」等、また保育三団体の取り組みの報告をいただきました。
「人勧および処遇改善」「こども誰でも通園制度(仮称)」などの施策の背景にある「こども施策に関する基本的な方針」「子ども未来戦略方針」「こども・子育て支援加速化プラン」などを見出し、こども家庭庁からの情報を読み解き、各地域の実情に照らして敏感に対応していくことが肝要と語られました。
〈記念講演①〉
子どもたちの未来をつくる
Deportare Partners 代表/元陸上選手の為末大氏にお話しいただきました。氏は、保育・教育における「応援」「伴走」「質問」の大切さについて示されました。
自分の力で成長している子どもたちにとって、時にアドバイスは子どもの成長に逆効果ともなることもあります。私たちは、まず目の前の子どもの姿から、何を必要としているのかを見極め、どのような問いを使えば子どもが未来に向けて自己分析する思考になるのか考え、答えを渡すのではなく伴走することに重きを置いたマネジメントの重要性について気づかせてもらいました。
講演中の為末 大氏
〈記念講演②〉
被爆体験を語る
2023年5月に行われたG7広島サミットで、各国首脳へ被爆体験証言を行った、小倉桂子氏による講演が行われました。被爆当時の凄惨な状況を、資料を交えながら丁寧にお話しいただきました。
氏が語られた「私たちの国だけ平和になればよいというものではなく、平和とは皆が全員の幸せを願うからこそなしえること」という言葉は、我々が今後国際人として常に意識しなければならない言葉だと感じました。
講演中の小倉桂子氏
■おわりに
今回、広島市で青年会議全国大会を開催するにあたり、テーマ・趣旨文の策定には前回の広島大会である第26回大会(2006年)を参考に、広島市ならではの「平和学習」を全参加者に共有していただけるよう「広島プログラム」を企画・実施させていただきました。
また広島市には、開催地自治体として後援のみならず、会場や「平和文化月間行事」認証など、ソフト・ハードともにご協力をいただき感謝申し上げます。
ご参加の皆様とともに語り合いと学びのある2日間を盛会となすことができ、地元実行委員会一同重ねて御礼申し上げます。しかし一方では、各地で続く紛争に否応なく子どもたちが巻き込まれているシーンが日々報道され、無力感に苛まれるタイミングの開催でもありました。
それでも、私たち大会実行委員会が大会後に実施した参加者アンケートでの「今後、身近な方(家族・同僚・園児)と平和について語り合おうと思われますか」の問いに、本稿執筆時までに回答された方124名の9割が「思う」「既に語り合った」と肯定されていました。
約500名が日本各地より広島に集ったことは、それぞれの施設や地域に、平和について語る機会を確かに齎したということです。この取り組みは、必ずや平和な未来へつながると信じております。
青年会議東京大会で、またお会いしましょう。
(広島大会実行委員会一同)
広島大会実行委員会集合!