活動報告

Report

2023.04.05

全国各地の青年部⑬
地域の枠組みを超えて─福岡県の青年部組織
(福岡県・福岡市・北九州市)

 今回は「地域の枠組みを超えて」と題して、福岡県内で活動する青年部組織の連携について紹介をします。福岡県は全国の中でも「県内に3つの保育団体組織がある」唯一の県です。青年部組織もそれぞれに存在し、政令指定都市である福岡市の福岡市保育協会青年部、同じく政令指定都市の北九州市私立保育連盟青年会議、福岡県全体をカバーする福岡県保育協会青年部の3つの組織は、同じ福岡県内の中で異なる環境にありながらも、常に情報共有をしながら、それぞれの保育環境の向上のために切磋琢磨しています。以下、連携強化のための取り組みをご紹介します。

1 我ら『参社會』
 それぞれ30年以上の歴史のある青年部組織が3つも活動する福岡県。置かれている環境は異なりますが、それぞれの恵まれている点や課題などを情報共有しながら、交流を続けてきました。
 それぞれの保育現場の問題、行政との関係・対応の違い、部員数の確保の問題、職員処遇の地域差など、常にタイムリーな話題を話し合ってきましたが、コロナ禍で一時的に停滞したその関係を再び活発化させるべく各部長が中心となり動き出しています。
『参社會』(自称)と呼ばれるリーダーたちの強いつながりをベースに、全国で最も熱い「保育県」を目指しています。

2022年度各支部会の部会長。
左から岡本先生(北九州市)、星岡先生(福岡県)、古賀先生(福岡市)    

2 毎年行われる合同研修会
 コロナ禍が始まった2020年以来中止・延期が続いていますが、毎年1回、幹事持ち回りで合同研修会 を行ってきました。テーマは多岐にわたりますが、講師をお招きして講演を聞くセミナーもあれば、体験・視察型の研修もあります。直近では多くの保育学生が集まる福岡市の保育園就職フェア(於:アクロス福岡)の見学ツアーを行い、各地区が抱える保育士確保の問題やその解決策を模索するなど、喫緊の課題解決につながる研修が主流となっています。また、組織を超えた部員同士のつながりを大切にしたいために、研修後の懇親会は盛大に行っています。たくさん学びのあった夜には、中洲、小倉、久留米といったそれぞれのホームグラウンドで、地元の経済活性化に貢献する青年部員たちの姿が見られます。そして、その交流をきっかけに仲よくなった部員の園同士の交流が始まるのです。
 小規模保育事業が始まった時には、先行する福岡市の情報を活用しながら事業を開始する北九州の園があったり、認定こども園についての情報を県や北九州の先生から教えてもらい、今後に生かそうとする福岡市の園があったり、それぞれの保育運営に活かせる関係が広がっています。そして、2023年度の幹事である福岡県保育協会青年部は久し振りの合同研修会の開催に向けて、張り切って準備を進めてくれています。

3 行政・議員とのつながり
 合同研修会とは別に、福岡県議会議員団との意見交換会を毎年行っています。こちらもコロナ禍以来延期が続いていますが、普段はなかなかお会いすることのない議員の方々との交流・人脈づくりは貴重な機会として続けていました。特にここ数年は、保育園・待機児童の問題が社会問題として注目を集めていたこともあり、熱心に保育界の話を聞こうとされる議員の方ばかりでした。
 議員との付き合いといえば選挙の時の応援といった一方的な関係だけでなく、保育界の課題や実情を伝え行政に訴えていく機会が重要です。そしてアフターコロナのあり方として、議員との交流は従来とは違った形になっていくかも知れませんが、県議だけでなく市議、あるいは国会議員の方々との関わりも重要です。青年部の立場だからこそできる有意義な取り組みを今後も模索していきたいと思います。

県議会議員との意見交換会の様子


4 九州から保育を盛り上げていきたい
 福岡県に限らず、九州の各県の青年部の仲間たちは保育に対する熱い思いを持っています。九州は、「九州保育三団体青年部協議会」としての活動も盛んで、九州8県のメンバーが組織の垣根を越えて団結する土壌があります。
 新しいことへの挑戦や斬新な取り組みを始める仲間が周りにいて、とても刺激にあふれる環境の福岡、そして九州。今年度は佐賀県で九州保育三団体青年部協議会の研修大会(佐賀県保育協会青年部主催)が行われます。九州各地から集まる仲間との学び・交流の機会に、今からワクワクしています。
 今、福岡県は人口が増えている福岡市とその周辺地域があり、それ以外の人口減少地域とに分かれています。福岡市の中でも子どもの数が減っている地域もあれば、都市部以外でも子どもがしっかり集まる園があったりします。それぞれが課題を抱え、少子化が進行する将来に向けての保育園・こども園運営に不安はつきませんが、子どもたちと園のよりよい未来のために、この福岡の仲間たちとこれからも研鑽を重ねていきます。
 コロナ禍も収束局面を迎え、オンライン中心から対面、自粛から活発な移動へとフェーズが変わってきました。福岡の地は交通の便に優れ、美味しい食べ物の魅力があり、美人も多い !? と言われる人気の観光地です。個人での旅行もいいですが、研修や視察を検討の方はぜひオススメですので、その際は我々にお声かけください!


福岡県保育協会青年部部長 星岡 剛先生
(認定こども園おんがの園園長)

福岡市保育協会青年部部長 有松 徹先生
(原中央保育園園長)

北九州市私立保育連盟青年会議会長 宮原健輔先生
(栄美保育園園長)