公益社団法人 全国私立保育園連盟

子どもの育ちを支える運動

鯨岡 峻氏の講演 運動推進委員会では「子どもの育ちを支える」べく、「心の育ち」をテーマに、より具体的な活動になるように取り組んでいます。その一環として、昨年度に引き続き本年度も、鯨岡峻氏を講師に全国のブロックで「子どもの育ちを支える運動シンポジウム」を開催する予定となっております。

 本年度の第1回目として、近畿ブロック主催によるシンポジウムが9月1日に京都新都ホテルにおいて開催されました。本年度より、新たな取り組みとして、運動推進委員会委員長岡村斉によるパワーポイントを使用した運動の主旨説明を行い、より多くの会員にこの運動が広まるよう努めました。その後、鯨岡氏に「子どもの心を育てるために-「養護の働き」と「教育の働き」を考える-」と題して講演頂きました。

 鯨岡氏はまず「子どもの心を育てるのは、育てる側の目に見えない心の働きだという議論は、これまで保育の世界で自覚的になされてきたでしょうか。」と問題提起をされ、「私はこれまで、育てる側の子どもを慈しむ心、大事に思う心、愛する気持ちを「養護の働き」と呼んで重視してきました。というのも、そうした大人の心の動きが子どもの心に流れ込んで、子どもの心に成り変わるからです。つまり、子どもの心の中核にある信頼感や自己肯定感は、大人が何かを教え込んで身に着けさせるものではなく、大人のそうした「養護の働き」がまず先行し、そのときの大人の思いが子どもの心に流れ込んで、反転する形で子どもの心に定着するのものだと考えるからです。」と「養護の働き」の重要性を述べられました。

しかしながら、この「養護の働き」が家庭でも、そして保育の場も例外ではなく崩れてしまっていることを指摘されます。さらにはこの「養護の働き」は学校の場でも十分でないことを述べられます。この状況を打開し、子どもの心を育てて行くには、「人と人が関わる中で、一方が相手に気持ちを向けたときに、双方のあいだに生まれる独特の雰囲気をもった空間や時の流れ」である「接面」でおこっていることを重視することが必要となってくると指摘されます。つまり、従来の経過記録等に見られる客観主義的な見方から、エピソード記述を用いた目に見えない部分を含めた心の動きを見つめていく接面パラダイムへのシフトが必要であると述べられます。

さらには、今まで、保育者主導の保育を批判する観点から「養護の働き」を強調する必要があったため、「教育のはたらき」への言及がすくなかったが、本来この両者の働きが両義的に結びついていることが必要であると述べられ、「教育の働き」を示す際の大人の「養護の働き」の示し方、つまり、「教育の働き」を示す際の大人の心の動かし方が問題であると言うこと等を述べられました。

 

●平成26年度 開催予定一覧

近畿ブロック     平成26年9月1日(月)※終了

中国・四国ブロック  平成26年11月25日(火) ※終了

北海道・東北ブロック 平成26年12月4日(木) 秋田県・秋田市 

東海・北陸ブロック  平成27年1月16日(金) 愛知県

九州・沖縄ブロック  平成27年2月16日(月) 福岡県・北九州市 

九州・沖縄ブロック  平成27年3月2日(月) 沖縄県・那覇市