公益社団法人 全国私立保育園連盟

保育

お母さんの自己肯定感は?
鯨岡 峻(京都大学名誉教授)

何かに自信がないことは自己肯定感がないことではありません

 何かで自信をなくすと、「自分は自己肯定感がないからだめなのだ」と思い込み、負の循環に陥るお母さん方も見受けられます。子育てに自信のある人はめったにいないでしょうし、生活も対人関係も家計もうまくやれて、何の不満もないような人はまずいないでしょう。うまくいかないことだらけなのが人生です。特に20代後半から30代の子育て期間中は、いろいろなことに自
信をなくしてしまうことがしばしばあります。それをすぐに自己肯定感がないからだと考え、ますます自信をなくしてしまう負のスパイラルに陥っていないでしょうか。

 何かで失敗したり、何かで自信をなくした時、まわりを責めるのではなく、信頼のおける人(夫や友人・知人)に愚痴をいったり、慰めてもらって元気を取り戻したり、自分の中に根を張っている自己肯定感が立ちあがってくるのを待ったりして、「よーし、もう一度」という気持ちになることが大事だと思います。そのためには、自分のまわりに何でも話せるような信頼のおける友人や知人がいること、自分の殻に閉じこもらないことがぜひとも必要になります。

 簡単に自己否定感に苛まれたり、だめだと簡単に諦めたりして落ち込む人は、頼りにできる友人・知人を持っていないことが多く、困難な事態を独りで切り抜けなければと身構えている人が多いように思います。

 もしもお母さんのまわりに頼れる人がいないなら、保育園の先生(担任の先生だけでなく、主任の先生や園長先生)を頼りにしてもよいのではないでしょうか。特に子育ての悩みに関しては、保育園の先生としっかり話し合い、時には家庭の難しい問題を話すなどして、話して気持ちが楽になると、それまで抑え込まれていた自己肯定感がきっと立ちあがってくると思います。

第15回は11月上旬に更新予定です。

*この連載では、「保護者」という言葉を「お母さん」という言葉に置きかえてすすめていきます。