公益社団法人 全国私立保育園連盟

研修報告

開催日程
平成27年6月1日(月)~5日(金)
開催場所
和歌山県・白浜町

01*保育カウンセラー養成講座は、平成27年度よりコース名をステップⅠ(旧初級コース)、ステップⅡ(旧中級コース)、ステップⅢ(旧上級コース)に変更しました。 

02 平成27年6月1日(月)から5日(金)、年度替わりの慌ただしさがようやく落ち着いたこの時期、南紀白浜に48名の受講者を迎え、保育カウンセラー養成講座の第59回ステップⅠが開催されました。

 保育者がカウンセリングを学ぶ基本的な考え方、保育者に必要な関係作りの基礎、コミュニケーショントレーニング、グループワークで自分の意見を述べ、他人の意見を受け止めることなどたくさんの学びがあったことと思います。

その学びを、これからの保育や職場の人間関係作りに活かしていってもらえることを願っています。

03
【トラストウォーク】自分を他者に委ね、視覚に頼らないコミュニケーションを行うことにより普段感じないもの、見えないものに触れるワーク

開催日程
平成27年2月19日~20日
開催場所
石川県・金沢市

平成27年2月19日~20日の2日間にかけて、金沢東急ホテルにて、表題の研修会(保育国際交流運営委員会が企画・運営)が開催された。全国各地から集まった参加者はおよそ20人。今回で6回目を数える研修会ということもあり、研修中のディスカッションにおける参加者の発言等々から各人に研修参加に至らしめた高い目的意識あるいは自身が抱える問題意識があることが読み取れた(今回は都合で1日目のみの取材となったので、それを中心として報告する)。

【講師の鈴木有香氏】【コンフリクト・マネジメントとは】
耳慣れない「コンフリクト・マネジメント」という言葉。そのまま訳せば「紛争解決」「紛争のコントロール」といった意味になると思われるが、すなわち「人間関係における自己と他者との関係性を整理・把握し、コミュニケーションを円滑に進めていくための手法」である。90年代後半に欧米で発祥した比較的新しいコミュニケーション理論で、日本では00年以降ビジネス等シビアな交渉を要する現場において注目されてきたという。

講師として招かれたのは、早稲田大学紛争交渉研究所招聘研究員の鈴木有香氏。コンフリクト・マネジメントの理論的な解説からそれらの実践やディスカッション、そしてその繰り返しという濃密なプログラムであった。

【研修の冒頭~チェックイン】
保育の現場では、日々様々なストレスが顕在化している。子供や保護者への対応はもちろんのこと、職員間の相互理解、上司である園長や主任保育士と現場の職員との関係性など、円滑なコミュニケーションが求められるシーンは数多い。そういった参加者共通の問題意識をベースとした研修ということで、「チェックイン」と呼ばれる研修の導入プログラムの時点から和やかな雰囲気で始まった。

この「チェックイン」という活動は、「現在の正直な気持ちや気になっていることなどをありのままに1分間話す」という一見単なる自己紹介のようではあるが、それには次のようなルールがある。

・並んでいる順番や講師の指示ではなく、話したくなった人から次々と話していく。
→自発性。能動的な姿勢。
・人の発言に対して質問したり突っ込んだりしない。
→他人の言葉をまずはそのままに受け止める受容性。
・無理に笑わせる、受けを狙うことはしない
→虚勢を張らず、自らをありのままに表現する姿勢。

これらを意識しながら研修に「チェックイン」することで、講師と参加者が本研修にどのような姿勢で臨むかが明確になった。相手をそのままに受け入れ、自らもそのままに表現するという姿勢。これは研修全体を一貫していたテーマである。

【ディスカッション】【研修の内容①~ウォーミングアップ】
「チェックイン」に続いて、「ウォーミングアップ」というプログラムが行われた。これは、「チェックイン」で参加者が共有した他者を受容する姿勢をより具体的に体験することが目的である。資料には遊戯のようなタイトルの項目が並ぶ。「パス回し」「これ何?」「鏡」「職業当て」・・・これらを通して、他者に意思を伝えることやそれを受け取ることの意味、その際に足かせとなる自身の思い込みなど、円滑なコミュニケーションに必要になること、あるいは妨げになるものが顕かにされる。

*パス回し
ジェスチャーで相手にボールを回していく。最初は声でボールを回す相手を指名してから回す。その後、声を出さずに相手の目を見たりジェスチャーのみで回していく。参加者は、声というわかりやすい合図がある場合よりも、無言のほうが相手をより観察し、受け取った際の実感も強いことに気付く。相手を受容するには、観察(よく見る、よく知る姿勢)が大切であることの示唆。

*これ何?
2人1組になり、一方が会場にあるもの(机、ペン、ホワイトボード、電話などなんでも良い)を指さし、一方がその名前を答えていく。しばらく続けたら、次に「指で差されたものとは全く無関係の名前」を答える。見たものをそのまま言うのは簡単だが、その逆は非常に難しいことに気付く。習慣と異なることをすることの難しさ、自分のパターンから抜け出すことの難しさの体験。

*鏡/職業当て
鏡は、対面した相手と鏡に映ったごとく全く同じジェスチャーをする。相手の動きをよく観察する。職業当ては、思い浮かべた職業を示すジェスチャーをして相手にそれがなんであるかを伝える。当てる側は相手を観察すること、ジェスチャーする側はどうすれば相手にうまく伝えられるかを工夫する。お互いが積極的にわかり合おうとする意識が大切であることの示唆。

これらの活動により、「チェックイン」で示された基本的な姿勢がより深く理解された。

【研修の内容②~パワーについて】
「パワー」という言葉で思い浮かぶことはなんであるか。例えば「権力・圧力・命令」といった強制的かつネガティブにも観じられるパワーもあれば、「底力・喜び・はげまし・エネルギー」といったポジティブな印象を受けるパワーもある。
人間は日常の中で様々な力によって支えられたり、流されたり、突き動かされたりしているわけであるが、「ウォーミングアップ」に続いて「私のパワー」として参加者それぞれが感じることをまとめた。

まとめるにあたって提示されたのは、「私の長所・強み」「私の短所・弱み」「私にある可能性、私を支えてくれるもの、こと、人々」「私の行動を萎えさせるもの、こと、人々」の4つの項目。自らとその周りのあるポジティブな力とネガティブな力とを分けた。
まとめ終わって自分の長所や短所、自分にとって有り難い力や受け入れがたい力を示す言葉を眺めていると、あることに気付く。それは、自分が長所と思っていることを他人が短所として挙げていたり、自分を支えてくれている力が、他人にとっては足枷のようになっているということである。これは、自分が短所や欠点であると捉えていることが見方を変えると長所にもなり得る、その逆もまた然りということであり、それらは個々の特性に過ぎないのである。「パワー」を生かすも殺すも自分の捉え方次第であり、また、一見受け入れがたい個性や考え方を持つ相手であったとしても、相対的な視点を持つことがそれらを理解する糸口になるということではないだろうか。

【①②を受けて、より体験的活動へ~「芸術活動」】
参加者が班に分かれ、それぞれに紙袋が渡された。その中にはペンやら紙やら雑誌やら様々なものが入っている。それらを材料にして「パワー」を感じさせるポスターを制限時間内に作り上げる。それが「芸術活動」である。

このプログラムにはひとつポイントがある。それは、紙袋の中身が班によって違うのである。このことは最初参加者には知らされない。各班が中身を確認し、早速ポスター製作にかかった。15分後ポスターが出来上がり、それぞれ発表し、どれが一番良かったかを投票で決定する。もちろん単にポスターの出来映えを競うわけではない。その過程、実際に作業して各人が感じたことにこそ意味がある。

*紙袋の中身が違うことに気付いたタイミング、その順番
紙袋の中身は班によって全く違っていた。しかも、「優劣」あるいは「貧富」とも言える差があった。一方ではカラフルなテープやペン、写真がたくさん掲載されたファッション雑誌などいくらでもアイデアが沸いてきそうなものであり、もう一方ではティッシュと黒鉛筆程度のものしか入っていない班もあった。同じように作業に入ったのだが、興味深いことに紙袋の中身が違うことにいち早く気付いたのは後者で、逆に前者の材料が豊富にあった班は作業に集中してしまいなかなか気付くことはなかった。
これは、満たされている者は自身の環境が他に比べて恵まれていることに気付かない一方で、持たざるものはすぐに満たされているものと比較するという特性が表れている。

【持たざる班】*投票で最も点数を集めたのは「持たざる班」
発表後の投票で最も点数を集めたのは持たざる側の班が製作したポスターだった。確かに材料がない中で必死に「パワー」を伝えようとした奮闘の跡がしっかりと残っていた。それに対して、満たされていたチームはきれいでコンセプトもはっきりしているもののいささかまとまり過ぎた感はあった。

投票の結果自体は参加者の個々の考え方や感じ方にも左右されるため偶然という側面もあると思われるが、この活動を通して人間の特性を知るという意味においては十二分に興味深い内容であった。

条件が違っていることを参加者に知らせずに同じ課題に取り組む過程で、最も示唆されたことは、「持てるものは、持たざるものの存在に気付かない」「持たざるものは、自らの環境の不満足を意識しやすい」ということであった。本研修においては他者を理解し受容することの大切さが一貫して語られたわけであるが、この「芸術活動」を通してわかったことは、それらがまず自分自身やその周りの環境を客観的に把握することが前提になるということではないだろうか。

【まとめ】
「チェックイン」、「ウォーミングアップ」とプログラムが進み、取り組んだ活動やディスカッションを通して感じたことが、講師である鈴木有香氏の的確な解説や助言、コメントによってしっかりと参加者の腑に落ちていく様子がよく感じられた。
参加者がそれぞれの園で抱える課題や問題の解決は一通りの方法でなされるものではないだろう。しかしながら、それらをコミュニケーション良く円滑に進め、より良い方向に導いていくためには、相手を知りなにより自分を知ることが肝要であるという鈴木氏のメッセージはしっかりと伝わったのではないだろうか。単純なハウツーではなく人間理解を深めるとでもいうべき根本的な学びは、保育の現場にとどまらない生活のあらゆる場面で生かすことができると思われる。
研修が進むうちに参加者の互いを信頼し受け入れようとする気持ちがより強まったせいか、兎にも角にも和やかな雰囲気が印象的な研修会であった。

(報告者:IT委員会 脇淵竜舟)

開催日程
平成27年1月19日~23日
開催場所
和歌山県・白浜町

 01 平成27年1月19日(月)から23日(金)和歌山県南紀白浜にて、保育カウンセラー養成講座の第58回初級コースが開催されました。

02今年度最後の講座では、カウンセラーの大竹直子氏から保育者に必要な聴く態度(構え)や関係づくりについて、また、安達倭雅子氏から性と生の講義をしていただきました。

日本体育大学の齋藤崇氏からは、一日かけてコミュニケーショントレーニングをしていただき、現場ですぐにいかせることが出来たのではないでしょうか。

保育園では必要不可欠となったカウンセリングの学びを42名の参加者と私たちスタッフ一同で共有できたことをうれしく思います。これで今年度の講座をすべて終了いたしました。来年度も共に学びましょう! 

〇平成27年度 保育カウンセラー養成講座開催予定日程一覧はこちら
03
【トラストウォーク】自分を他者に委ね、視覚に頼らないコミュニケーションを行うことにより普段感じないもの、見えないものに触れるワーク

開催日程
平成26年11月19日~21日
開催場所
北海道・札幌市

012014年11月19日~21日。北海道札幌市において保育実践セミナーが開催されました。今回は、「研修での学びを園に持ち帰り共有するためにはどうしたら良いか」を実際の体験を通して学ぶワークショップが中心です。初日には、まずこの研修の場が参加者の皆さんにとって「安全・安心できる学びの場であること」を実感するために、アイスブレイクやペアインタビューなどを体験しつつ、もう一つの研修の柱、「子どものみかた」について考察を深めていきました。最初は緊張感が漂っていた会場もワークを通してすぐに笑い声があふれリラックスして3日間の研修が進められる雰囲気に包まれました。

022日目は、佐伯胖名誉教授(青山学院大学)から、『赤ちゃんを「人間としてみる」ということ』のご講演をいただきました。「学校知につながる能力(できてます的)を見るのが学者や研究者だが、私たちは、 “人間力”を見ることこそが大切だと子どもたちから教えてもらっている」という逆視点からのご示唆に真理を得た心境でした。

この講演を受け、長年にわたり保育園で子どもの育ちに伴走してきた佐々木美緒子園長(青戸福祉保育園)と佐伯先生の「現場の実践と理論をつなぐ」白熱した対談が行われ、参加者は理解がより深まったように思います。

03そして午後からは、津村俊充教授(南山大学)と鈴木健史学科主任(篠原保育医療情報専門学校)をファシリテーターに迎え、2つの分科会に分かれてファシリテーションの理論と実践を学びました。

最終日は、この3日間の研修のファシリテーターを務めていただいた鈴木先生とワールドカフェのワークショップを実践しながら研修の振り返りやこの研修を現場に持ち帰るための具体的な作業を行いました。
鈴木先生からは、「まずは初めの一歩を踏み出してください」とエールをいただき、3日間にわたる研修が無事に終了しました。

開催日程
平成26年10月20日~24日
開催場所
長野県・軽井沢町

平成26年10月20日~24日、紅葉が美しい長野県軽井沢で第57回初級コースが開催されました。講師に大竹直子氏、安達倭雅子氏、齊藤崇氏を迎え64名の参加者は真剣に講義を受けていました。

初級のテーマは「保育とカウンセリングの接点」で、カウンセリングの技法を保育現場に生かすための深い学びがありました。初日に緊張していた顔も、最終日にはみなさん充実した表情になっていました。

01 DSC01796

開催日程
平成26年11月4日(火)
開催場所
東京都・全国保育会館

開講挨拶平成26年11月4日(火)全国保育会館において、東京学芸大学教授の大河原美以先生をお招きして第4回保育カウンセラーのための特別講座「子どもの感情制御を育てる関わり~ライブコンサルテーション~」を開催いたしました。

全国各地より50名近くの保育カウンセラーが参加し、久しぶりの再会を喜びながら、新しい学びに真剣に取り組みました。今まで学んできたカウンセリング理論をより実践的に結び付ける内容には多くの気づきがあったようです。

次年度もより深い学びの場を提供したいと思いますので、ご参加をお待ちしております。

開催日程
平成26年9月17日~19日
開催場所
山梨県・清里

9月17日から19日にかけて山梨県清里で2泊3日の園長研修が行われました(参加者34名)。制度が変わっていく中、これから進む道を探っていくためにも基本に立ち返った研修を行おうということで企画されたものです。

1日目は保育園開拓期から成熟期までの40年間の保育実践を切り拓いてこられた新澤誠治氏による講演「先輩の歩み」、そして全国の保育園が抱えている「これからどう進むべきか」の課題を公定価格の仕組みを通して考えるきっかけになった長田朋久氏による講演。

2日目は職場の人間関係や学びの質をよりよくしていくための佐藤扶由夫氏・松原美里氏による「チームコーチング」のワークを交えた体験学習。

3日目は3時間に亘り語られた、渡辺久子氏の「子どもの最善の利益と日本の子どもを取り巻く現状」の講演でした。乳児が本来持っている(相手の声や表情から情動・意図を察知する力)をうまく発揮できない現在の子育て環境や母子関係、そのあり様に大きな危機感を抱き『保育所は子ども達の育ちの砦なのです』と私達へのメッセージを手渡された渡辺氏でした。

3日間を通して「子どもたちの最善の利益」を守るために、保育園が果たさなければならない役割を、あらためて学ぶことができた研修でした。

01 02 03 

開催日程
平成26年9月1日~5日
開催場所
静岡県・伊東市

豊かな自然に囲まれた伊豆高原で、第36回保育カウンセラー養成講座中級コースを開催いたしました。

講師には諸富祥彦先生、小山田治子先生、井出智博先生をお迎えし、平成26年9月1日~5日、4泊5日の日程で「自己理解・他者理解」について体験を中心に学びが行われました。約40名の受講生は、長丁場の研修でしたが最後まで真剣に取り組んでいました。

自分の心に向き合うことで自分らしさを認め、相手のその人らしさも認められることにつながる、温かい人間関係の築き方を体験的に学びました。これから現場で実践しながら、保育の質の向上に努めてくれることを期待します。

7月14日~18日、第20回保育カウンセラー上級コースが琵琶湖で開催されました。50名の初級・中級コース修了者が集まり、より実践的な学びを深めました。

カウンセリング・マインド10項目という基本に立ち返る機会にもなり、ここでの学びや気づきの多さは参加者の笑顔となって表れたことを実感しました。

今後、それぞれの園において豊かな保育実践に繋げていかれることを期待しています。

6月9日~6月13日、梅雨入りし蒸し暑い和歌山県白浜で、保育カウンセラー養成講座第56回初級コースを開催いたしました。臨床心理士の大竹直子先生や保育士養成に携わる齊藤崇先生、電話相談員の安達倭雅子先生を迎え、44名の参加者のもと、内容の濃い5日間となりました。

この期間で、自分の気持ちに触れて感じることが出来た受講生の皆さんは充実した表情で帰路に着かれました。学びはこれからも続きます。皆さんもともに学びましょう!