公益社団法人 全国私立保育園連盟

生きもの植物との付き合い方

その2身近な野鳥

1カラス

 ♪からす なぜなくの からすは やまに♪(童謡「七つの子」)
 カラスは町中でも農山村でも生活しています。一番身近で、嫌がられている野鳥かもしれません。私が子どもだった頃、夕方山に帰るカラスをよく見た記憶がありますが、今はゴミ収集の日によく見ます。

ハシブトガラス

 町中にいるカラスは、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です。違いはいろいろあり、比べてみないとわかりにくいのですが、くちばしが太いのがハシブトガラス、細いのがハシボソガラスです。歩き方も、両足でぴょん・ぴょん跳ぶ(ホッピングという歩き方)のがハシブトガラス、よちよち歩く(ワーキングという)のはハシボソガラスです。これらの違いは、実は生活空間の違いからきています。

ハシボソガラス

 山の鳥は枝から枝に移り、飛び跳ねるので、「七つの子」のカラスはハジブトガラスです。歌詞の「かわい かわい」という鳴き方は、「かーあ かーあ」と鳴くハシブトガラスなのです。一方、ハシボソガラスは「ぎゃー ぎゃー」と鳴きます。これだけ特徴を知ると、ゴミ収集の日が楽しみになったと思います。
 ゴミを漁るカラスは、器用にゴミ袋を破り、頭を突っ込んでごそごそしています。この行動を見て、賢い鳥だと思いますが、実はこの動作はカラスの特徴的な動きなのです。カラスは基本、獣の死骸や虫を食べています。山で死んだ獣のはらわたを出すため、お腹に嘴を突っ込みます。この動作と、ゴミ袋に頭を突っ込む動作は同じで、カラスにとっては死骸もゴミ袋も同じ餌ということになるのです。

町中のカラスの巣

 冬には、畑にたくさんのカラスの集団を見ることがあります。ミヤマガラスです。このカラスは集団で越冬するためにやってきます。その中に稀ですが、コクマルガラスがいることがあります、コクマルガラスで一番有名なのは、『魔女の宅急便』の中で、主人公のキキが山で絵描きの女の子に出会う時にいるカラスです。

 カラスは町中の高い木の上などに巣を作ります。巣を作り始めたら撤去できません。鳥獣保護法で罰せられるので気をつけましょう。嫌われ者ですが、命をつなぐ行為はどの生きものにとっても大事なことなのです。

町中のカラス
2スズメ

 民家の軒下に巣を作り、子育てをします。「チュンチュン」と鳴くのですが、繁殖期はさえずりをします。田圃のお米を食べるので農家には嫌われていますが、童話にはよく出てきます。『舌切り雀』は代表的なものですが、他にもたくさんあります。童謡「雀の学校」「すずめのおやど」「かわいいかくれんぼ」にも出てきます。「かわいいかくれんぼ」に出てくるスズメは茶色い帽子をかぶっています。皆さんがよく見かけるのが、このスズメで、ほっぺにポチが付いています。

スズメ

 山にはこのポチが付いてないものも暮らしていて、ニュウナイスズメです。本来このスズメは町中にいたのですが、ポチ付きのスズメがやってきて山に追いやられてしまったのです。歩き方に特徴があり、ハシブトガラスと同様にホッピングします。「かわいいかくれんぼ」には「おやねで ちょんちょん」とありますが、特徴をとてもよく捉えていて関心するばかりです。
 実は、日本のスズメにはもう1種類います。まだ本州以南には生息していませんが、北海道では見かけられているという、イエスズメです。このスズメは元来ヨーロッパが生息地で、日本にはいないはずです。ヨーロッパを旅行された方は見かけたことがあると思いますが、日本のスズメよりも大きく、ほっぺにポチは付いていません。
 近い将来、今町中にいるスズメが山に追いやられ、イエスズメが蔓延はびこるかもしれません。魚のブラックバスやブルーギルと違って、人が意図的に入れたものではありません。気候変動と生物の生息空間が変わっただけなので、外来種には指定されないはずです。私個人の意見としては、旅行でその土地にいる生きものに出会うのはとても楽しいので、やってこないでと祈るばかりです。

3ハト

 ご存知ですよね。ええ、よく神社の境内けいだいにいるあのハトです。皆さんのよく知っているハトは、ドバトといって、伝書鳩がこの仲間です。ほかに、山鳩といわれるキジバトが山にいます。

ドバト

 ドバトは毎年夫婦関係が解消され、春に新しいカップルができます。集団で生活しているので、オスが体を膨らませて「クルック クック」とメスにアピールする姿を見かけたことがあるかと思います。一方、キジバトは生涯連れ合いを解消することはありません。必ずオスとメスが一緒にいます。もし1羽なら、春に生まれてまだ連れ合いのいない若い個体ということになります。キジバトは「デデポポ」と鳴きます。

ドバトの交尾行動

 ところで、ハトというのはなぜハトというのか、気になったことはありませんか?ジュウシマツという飼い鳥は、卵から雛にかえるのに 14 日かかるということです。ということは、ハトは8と10で18日かかるのでハトということになります。これは、あくまでもこれくらいの日数がかかるということで必ず 18 日というわけではありません。気候などでも変わります。

キジバト

 普通、鳥の雛は春にかえるのが多いのですが、キジバトは秋にも巣を作ります。秋に、木に登ると時々ハトの巣に出くわすことがあります。ハトは子育て中、ミルク(ピジョンミルク)を口から出して雛に与えます。
 伝書鳩でのレースは全国で行われ、血統が大事にされて高値で売買されることもあります。知り合いのハトレースをやっている方に聞いたことがあるのですが、昔に比べてレースで戻ってくるハトが減ったそうです。電磁波の影響があると聞きました。ハトにとって害があるものがヒトには害がないとはいいきれません。

 身近な鳥でも知らないことがあるでしょう。町中に暮らす鳥を見つけて、楽しんでみてください。

小泉造園代表/京都女子大学非常勤講師 小泉昭男