公益社団法人 全国私立保育園連盟

保育園のこだわり

昨年から月に一度、年長さんを対象に「かがくのじかん」という取り組みを行っています。年長さんが対象ですが、興味のある年下の子たちはその様子をじっと側で見ていたりもします。

この「かがくのじかん」は、博士に変装した保育者が簡単な実験を子どもたちと一緒に行うというものです。

「科学」と聞くと、なんだか難しいものという印象を受けてしまうかもしれませが、科学(science)の元々の意味は「知ること」で、子どもたちの「知りたい!」と思う気持ちを刺激するような活動が、この「かがくのじかん」と捉えています。この時間を楽しむことは、「知りたい!」という子どもたちの自然な欲求を満しているのだと思います。

実験をしていく中で子どもたちからは自然と「不思議!」「どうして??」という言葉がたくさん出てきます。その言葉は「どうなっているのか知りたい」という思いなのではないでしょうか。

この知りたいという素直な思いをたっぷり楽しむことができるように、これからもいろいろな取り組みを行っていきたいと思っています。

うちの園のこだわりは昆虫等の飼育です。

今まで飼ったことがある(現在飼っている=下線)昆虫等は甲虫類が日本産クワガタでオオクワガタ・ミヤマクワガタ等43種、外国産でニジイロクワガタ・オウゴンオニクワガタ等61種程、カブトムシがヘラクレス、コーカサス等18種程、ゲンゴロウ類でシャープゲンゴロウモドキ・オオイチモンジシマゲンゴロウ等35種、ほかヤマトタマムシ・オオトラカミキリ、、、蝶がスジグロカバマダラ・ツマグロヒョウモン等30種程、水生カメムシ類がタガメ・ヒメタイコウチ等12種、アリ類がムネアカオオアリ・クロオオアリ等10種程、その他バッタや鳴く虫の仲間、トンボの仲間、、、虫以外ではヒョウモントカゲモドキ・レッドビーシュリンプ、ナマズ、各種熱帯魚、ウサギ、ボタンインコ、、、

子ども達は虫が大好きな子もいますが、嫌いな子や保護者もいます。職員は好きな人が多いだろうとよく言われますが、3割以下だと思います。世話は子ども達の当番と「虫チーム」と呼ばれる数名の職員が中心です。

難しい飼育と食草の栽培は農工大のアルバイトと花好きのパートさんがやります。時々園長が子ども達向けに昆虫教室を開き、今年はアリの飼育のアドバイスやクワガタ・カブトの生態について話をしました。

園の脇を流れる川には東京都下にありながら、ゲンジホタルやハグロトンボ・ホトケドジョウが棲み、まわりに植えられた植物には色々な蝶もやってきます。

こうした自然いっぱいの環境とも相まって、子ども達の心がのびのび育っていったらいいなと考えています。

毎月1回、みんなが昼食で食べる味噌汁を子どもたちだけで作る「味噌汁クッキング」の日があります。

3,4,5歳児の5,6人の子どもが順番に取り組む活動で、前の週に「味噌汁の具は何にするか」を決めるところから始まります。具は4種類までという制限があるだけで、何を選ぶかは自由です。

味噌汁に合いそうにない具が意見として出てきたらどうしようと心配もしていたのですが、よく選ばれるのはニンジン、玉ねぎ、サツマイモ、ジャガイモなどで、心配する必要は全くありませんでした。日本人の大事な食である味噌汁が、生活の中で大切にされ子どもたちに伝えられていることを感じています。

作業は、いりこを入れる→野菜を切る→いりこを取り出して野菜を煮る→味噌を入れて味を決めるという流れで進んでいきます。ダシを取った後のいりこを使ってふりかけを作る作業もあります。

この活動は少人数でのんびり行うため包丁の扱い方や料理の流れをじっくり伝えることができますし、子ども同士で教え合う姿も見られます。

そして、自分たちの作った味噌汁をみんなに食べてもらう体験もできるので、みんなで生活していることを意識できる大事な活動と考えています。

園庭に雨水を溜めておくタンクを3つ設置しています。溜まった雨水は、畑の水やりや子どもたちの遊びに使われています。

またそれだけではなく、雨が降った翌日には「水、溜まってるかな?」と子どもたちが予想しながらチェックをしていることも。でも水が溜まってないこともあり、そんな時には「どうしてだろう?」と考えていたりします。

水道水とは違い、蛇口をひねれば必ず水が出てくる訳ではありません。あくまでもそれは天気次第なんです。このタンクを通して、そんな天気や自然というものに目を向けてほしいと思っています。

他にも、乳児さんはこのタンクがお気に入りで、蛇口をひねっては元に戻したり、流れる水を見たり、手で水を触ったりしながら楽しんでいます。

溜めた雨水を気にすることなく使うことで、水の不思議や蛇口をひねる楽しさを味わうことができています。このタンクだからこそ感じられることがたくさんあります。

またそれだけではなく、実はこの3つのタンクは全てつながっていて、一つのタンクの水が減ると残りの二つのタンクも同じように減っていく仕組みになっています。そんな不思議にも気づいてくれないかなと、楽しみにしています。

地域の小学生が放課後や夏休みを利用して保育園へ来てくれます。保育のボランティアという形で来てもらっていて、特に0,1歳児を中心に関わってくれています。

子どもとの関わり方は、私たち保育者と小学生とでは当然違いが出てきます。子どもの発達段階を把握し、次の課題のためにどんな環境を用意し、どんな関わり方をするのかを考えるが保育者の役割ですが、小学生はお兄ちゃんお姉ちゃんとして子どもたちと関わってくれています。

子どもとの距離は当然保育者と違うのですが、そんな関わりも子どもたちには必要だと思います。かなり発達が上の子どもとの関わりも、園児にとって重要な体験になります。夏休みなどには、食事を共に食べてもらう場も設けています。

多子社会の頃は、家で歳の離れたお兄ちゃんやお姉ちゃんと食事をし、その様子を見る機会は多くありました。少子時代の今はそんな体験もできにくくなっているので、小学生と共に食事をすることも貴重な体験となります。

それ以外でも、靴をきちんと揃える姿を見ることなども園児にとっては大事なモデルになります。様々な人が訪れてくれる環境にしていくこともこれからの保育園の大切な役割だと考えています。

私たちの保育園には「ととろの森」という裏山があります。木に登ったり斜面を登ったり鳥を観察したりと、楽しいこといっぱいのととろの森はみんなの大好きな場所です。

実はこの「ととろの森」には年に一度、10月16日(ととろ)にだけ、ととろが子ども達に会うために現れてくれるんです。

子ども達はこの時期になると「ととろに会った時にあげるんだ」とたくさんのドングリを集めています。散歩で出かけた先や家の周りなど、いろいろな所で見つけては拾って来てくれます。

私たちの保育理念に「自然に生かされる保育」というものがあります。その理念のもと様々な取り組みを行っているのですが、この10月16日の「ととろの日」もそんな取り組みの一つです。

例えばドングリを拾うことでも、同じ形が一つもないという不思議を感じたり、ドングリの中はどうなっているんだろう?どんな所にドングリが落ちているんだろう?と考えることで、興味や関心、好奇心が芽生えます。

子どもたちのそんな心を刺激するものが自然の中には溢れています。自然豊かな島根の地で生きる子どもたちに、その素晴らしさや不思議さを感じてもらえるよう、いろんな工夫も大切だと思っています。

「~にこにこ笑顔がいっぱい おひさまのような保育園~私たちは、未来へつなぐスマイルクリエイターを目指します。」

この言葉を当園の目指す姿として、私たちは日々保育に取り組んでいます。その言葉のとおり、子どもたちや保護者の方、そして保育者もたくさんの笑顔があふれています。

平成23年2月に新園舎が完成しました。新園舎は「地球に優しい保育園」ということで、オール電化になっており、屋根の上には太陽光発電を設置しています。

保育園の玄関には「今おこしている電気は○○kw(キロワット)」「今日つくられた電気の量は○○kwh(キロワットアワー)」と表示してあります。お天気の良い日には「いっぱい電気ができたね~」と子どもたちも保護者の方も興味津々で見ています。

給食室もIHコンロが設置してあり、きれいな空気の中で調理しています。玄関前には雨水を溜めるタンクがあります。子どもたちは砂埃防止やお花に喜んで水を撒いています。今は、震災後、雨水の放射線量が心配されたため、お休みしています。

「子ども同士の多様な関わり」が生まれるようにすることは、保育園の大きな役割でもあります。そのために様々な活動や環境を用意するわけですが、その一つとしてゲームゾーンを設けています。もちろん目的は子どもたちが関わりを楽しめるようにすることです。

ここに置いているゲームは複数の子どもたちで行うものが中心です。一人ではできない「勝った」「負けた」の体験もそれぞれに大事ですし、協力することの楽しさを体験することも大事なことです。どんな相手と遊ぶのか、どんなルールで遊ぶのか、その遊びがより楽しくなるように、子どもたちは自分で考え自分で決めていきます。

家庭や地域で子ども集団が少なくなったことを考えると、子どもが自分で考え、工夫し、他の子どもとの関わりの中で様々な調整をするといった体験は、子ども集団を持つ保育園の大きな特徴でもあります。同じような発達の子と勝負を楽しんだり、発達差のある子どもたちが集まりみんなが楽しめるルールを作って遊んだりと、子どもたちはこのゲームゾーンで関わることを楽しんでいます。

「何かを描きたい」「何かを作りたい」「何かを表現したい」子どもたちのそんな思いを実現することができるように製作ゾーンを設けています。

そこには作りたいと思ったときに道具や素材を自分で取り出せるように、必要なものをいつでも用意してあります。空き箱や食品の容器、散歩で見つけてきた木の実といった材料だけでなく、ハサミやテープ、のり等も常に置いてあります。

製作ゾーンを使える時は、子どもたちはそこへやってきて自分の作りたい物を作ったり、絵を描いたり、塗り絵をしたりしています。一人でじっくりと絵を描く子がいたり、みんなでワイワイおしゃべりしながら協力して作品を作る子がいたりと、子どもたちの取り組み方は様々です。

そしてそこで出来たものはできるだけ作品として飾るようにしています。そのことが次の作品への意欲につながったり、また他の子の作品を見て参考にしてみたりと、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちがより高まるような環境構成をいつも考えています。

環境の装飾などを考えるとき、なるべく和の物、地元の物を活用するようにしています。例えば窓には障子を取り付け、それを通して柔らかい光が差し込んでくるようにしています。

また、手ぬぐいを使って暖簾を作ったり、さらには地元の伝統工芸品である和紙を使ってランプシェードを作って遊びのゾーンで使用したりもしています。

例えば、障子を通した柔らかい光が癒しの効果があると言われています。そうした独特の効果はもちろん大事にしたいことですが、それ以上に、自分たちの住んでいる日本のものや地元の伝統工芸品といった和の物に日常の中で接することのできる環境にしていきたいと考えています。自分は日本に住んでいる、島根県の中の○○市で生活をしているといった所属感を持つことは、自尊感情を高めるためにも大切なことで、それが子どもの自発的な活動につながっていきます。

自発的な活動は子どもの発達のために非常に重要なことです。そんなことから、環境を考えるときはどんな風に和の物が使えるかを考えるようにしていて、子どもたちが生活の中でそれらを見たり触れたりできるように工夫しています。