公益社団法人 全国私立保育園連盟

保育園のこだわり

01ハンガリーのマイバ乳児保育園もみの木組の洗面スペースは、見事にグリーンでコーディネートされています。また、保育室はイエローでコーディネートされていたりします。

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色を整理することによって、空間が美しくなり、心地よいものとなります。

色の持つ雰囲気やまた色から出されるエネルギーで気持ちが落ち着いたり、元気が出たり、あたたかい気持ちになったりもします。

03たくさんの色を使うときは、さらにコーディネートが難しくなりますが、色調をそろえることで、調和します。

またアクセントカラーといった考え方もあります。

なんとなくセンスがよくて美しいなと思う保育室、色を意識して整理し、心地よい保育環境を作りたいものです。

広大な園庭7月に開かれた世界幼児教育・保育機構(OMEP)の第66回世界大会参加の機会を捉え、開催地であるアイルランド第二の都市コーク市内にある保育園を訪問しました。

ベスボロー・センター保育園は70年の歴史を持つ城壁に囲まれた広大な敷地内にあり、就労支援施設、家庭内暴力から避難してきた親子の寄宿舎、障害児親子の寄宿舎など、幅広い分野での社会福祉事業を展開しています。


伐採した木でつくられたベンチ保育園は生後4ヶ月から満1歳、満1歳から満2歳、2・3歳児、3・4歳児、4歳児の5つのクラスに分かれており、8歳までの学童保育施設も併設されています。「園庭」というよりは「大きな公園」と呼ぶのが相応しい場所には様々な樹が植えられており、そのメンテナンスも行き届いており、所謂日本流の「お散歩」という活動が無い海外の保育園では、安心して園児が緑を楽しめる空間になっています。園内移動の乳児用の乳母車もかなりしっかりしたものでした。

園庭移動用の乳母車「こんな広大な場所で園児が遊ぶと、迷子や所在不明で心配にならないですか?」という質問に対して「子どもたちは自分の安全でいられる境界を知っていて、自分から保育士が見えなくなるような遠いところには行かないですよ」との答えでした。

園庭の木を伐採して手作りのベンチや遊具が作られており、廃材など一切ださず、木の皮はチップ状にして使うなど、ESDの実践も目にする事が出来ました。

2013年7月、OMEP上海大会に参加した折、上海市のモデル幼稚園のひとつ浦南幼稚園が公開されました。中国は2010年に幼児教育10カ年計画をスタートさせており、国家予算を重点的に就学前教育に投入しています。

2010年から2012年の2年間で幼稚園の新設が30,900園と急速な増加ぶりと報告されました。上海市もその政策の一環で幼児教育の近代化を図るために、モデル園を行政区毎に設置しています。

屋外環境はソフトな素材で舗装された運動場と遊具空間そして芝生のエリアが整備されていました。写真はすぐにでも活動が展開できるように配置されている運動器具です。

保育室を巡って強く印象に残ったことは、保育室毎の遊具・教材が見本市会場のように機能別に配置されていたことです。カラオケごっこにはカラオケ用玩具が、建設現場ごっこにはヘルメットが完備という道具立てでした。お店やごっこの部屋ではATMの模型、美容室には本物仕立ての化粧品セットが並びます。

ことさらに文字や数の指導はしていないとの説明でしたが、遊んでいる様子からはボードゲーム等のレベルは高く、すでに読み書きができていることを示していました。

子どもたちの遊びに必要なものは、完璧に揃えるという意志が見事に示されていました。日本のマンガ・キャラクターが大きく壁面装飾に使われていたので意外に思いましたが、「子どもたちが好きなので」とおおらかでした。

身の回りの自然に親しみその中でたくさん遊んで欲しいというのは、保育に携わっている者であればその多くの人が思う願いのひとつではないでしょうか。

森の中のコテージを野外保育施設として利用している私たちの園では、ちょっと変わった遊び方をしています。

自由に森の中を散策する子供達の手には目玉をイメージしたシール。それらを、気になったもの、気に入ったもの、いろいろなものに貼っていくのです。すると・・・自然物がぐっと表情豊かになる・・・気がしませんか?事実子供達もこの遊びが大好きで、もともとうれしい森遊びがより楽しくなるきっかけになってくれているようです。

あえていえば、自然物の擬人化とでもいいましょうか。目が付くことで、物によってはかわいらしく、時にはちょっと怖そうに見えることもあります。子供達が抱いたイメージがよりリアルな形で伝わるのかもしれません。

これは森の中だけではなく、園庭や室内どこでも遊べます。やり過ぎると剥がすのが大変ですが、子供達が自分の周りの環境に対する愛着を深めるにはちょうどいいお遊びであるような気がします。

里山の中にある保育園。近所を歩くと、様々な木の実、葉っぱなどに出会います。

自然界にあるものはなぜかくもカラフルで楽しいのか!

どんぐりをみつけたらほとんど反射的に拾う、たくさんあれば必ず集める子供たちにとって、彩り豊かな木の実にはなおのこと興味を引かれるようです。

写真は、「野いちご」、「まきの実」、「落葉の森の木の葉や実」です。どれも色鮮やか、また、その造形が特徴的で美しい。

これらは目で見るだけではありません。野いちごはたくさん集めてジャムを作ります。子供たちが「ヒゲ」と呼んでいる細かい花の残りが口の中でほのかにざらつくのはご愛敬。まきの実はその場で食べます。色は熟し方の違いで変わります。子供たちそれぞれに好みの段階があるようです。

そして、木の葉や実。これらはもちろん食べられませんが、ベンチやらテーブルやらに並べると、自然界の調和とでもいうような美しさを感じられはしないでしょうか。

いろいろな遊び、楽しみをくれる日本の里、森に感謝ですね。

寒い冬。園庭では焚き火で暖まる子供たちの姿が見られます。時に危険な火ですが、人間を人間たらしめたのは紛れもなく火の存在が大きいでしょう。

「火に親しむ」という表現がふさわしいかはわかりませんが、その熱さ、その心地よさ、そして怖さを感じておくこともきっと必要な体験のひとつといえると思います。

子供たちにとって、火といえば暖をとることがまっさきに思い浮かぶでしょう。でも、もちろんそれだけではありません。火を上手に使うことで、食べ物がよりおいしくなることも知ってほしいですね。

そんなときにおすすめなのが、「焼きマシュマロ」です。木の枝などの先にマシュマロをつけて、遠火でじっくり炙ります。すると表面がトロリと溶けて、極上のデザートに変身します。

そしてもうひとつおすすめしたいのが、「チョコバナナ」です。縦に半分くらいにカットしたバナナと板チョコをアルミホイルに包み、それを火の中に入れるだけ。

しばらく経つとチョコが溶けて温かいチョコバナナのできあがりです。ついつい食べ過ぎてしまうことだけ要注意!ですね。

保育園の一角、大型遊具のはしっこに、金属製の標識が立っています。

アルファベットと「○○○km」という文字・・・実はこれ、この保育園の園庭から世界各国の主要都市までの距離と方角を示しているのです。

大垣(保育園のある市の中心部)まで19km、東京まで301km、北京まで1839km、パリまで9627km、ニューヨークまで11019km、リオデジャネイロまで18659km・・・

遊具といっても「見るだけ」「感じるだけ」の感覚遊具(?)。計画した段階から、子供はもとより大人を意識したオブジェという趣で設置してあります。

国際空港に行ったとき、世界各国の都市名が書かれた飛行機の運航表を見ながらそれらの街へ思いを馳せる・・・そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。

普段子育てやら仕事やらでなにかと大変なことも多い大人の毎日は、ともすると視野も狭くなりがち。そんなときにこの標識をふと見上げて、この場所が確かに世界中とつながっているという大きなスケールを感じてもらえれば、と思っています。

もちろん子供たちの遊びや学びにも活用中。先日パリに旅行へ行った職員がどっちのどれくらい離れたところにいるのか、そんなことを感じる手助けにもなるようですね。

絵本ほど子供たちに愛され、昔子供だった大人にとっても懐かしく感じられるものはないかもしれません。

保育室の絵本スペースでは、季節や行事、子供たちの興味関心に合わせて、定期的に内容を変えるようにしています。子供たちは気持ちの向いたときに自由にそこへ行き、パラパラとページをめくって、気に入ったものがあれば大人のところに持ってきます。

「よんで」 「いいよ」

こんなやりとりが毎日どこかで聞こえます。時に大人を独り占めにして、時にみんなで、お気に入りの絵本を読んでもらうのです。そんな光景を見ながら感じるのは、やはり「絵本は読んでもらうもの」ということ。大人の優しい声を聞きながら、じっくりと絵に見入る子供たち。とてもなごやかな時間が過ぎて、子供の情緒を穏やかなものにしてくれます。

人間は、文字を読めるようになると、自然に絵ではなく文字を追うようになってしまいます。ですから、絵本の読み聞かせという素敵な時間を本当に楽しめるのは人生でもほんのわずかな時間。刺激の多いものがあふれる現代にあって、絵本という文化をしっかり継承していくことも保育園の大切な役割ではないでしょうか。

「園庭は子どもの創造性を豊かにする世界」として、「サウンド・ガーデン(音の庭)」が設置されているのが、英国のブリストル市(ロンドンから急行バスで約1時間)にあるFナーサリ-スクールです。子育て支援センターも有するFナーサリースクールには、アフリカ、中近東、カリブ海、インド、中国等の文化背景を持つ子どもが在籍しています。

一人ひとりの子どもの立ち振る舞いから、リズム感や音感の違いの面白さに気づいた先生方と彫刻家で子どもと木工等を始めアート活動を繰り広げているピーター・ムーアハウスさんが、従来の遊具や砂場というお決まりの園庭の考えを180度変換!して、子どもと共に子どもの身体を音で表現する庭へと話し合い、「音の庭(サウンド・ガーデン)」を創ったのです。

もとからある楽器に出会うことももちろん大切なことですが、身近な生活にあるモノが音を持っている、リズムがあるのだ、ということを気づいた子どもたちは、バケツ、フライパン、おたま、ケーキの型等々、一つひとつのモノと出会い、音のオーケストラを奏でています。こうした光景を見た保護者もどんどん参加しているそうです。モノが持つ音に魅了された子どもたちは、無茶な音(騒音)を出すのではなく、子ども同士、仲間の創りだす音に耳を傾け、オーケストラ演奏となっているそうです。

 

子どもの創造性と想像性を最大限活かすアート工房(空間)として、室内に「アトリエ」があることは、様々な書物等で紹介されています。

なんと、「アトリエ」は、室内だけではありません!園庭も子どもの「アトリエ」なのです!0~2歳児70名が在園するP乳児保育所。

子どもが、園庭や近くの公園で出合った「葉っぱ」「小枝」「木の実」「石」等々と子どもの知性と感性が躍動感をもって対話した様子がそのまま展示されているのです。

あらかじめ「○○を作る」という保育士主導の活動ではなく、子どもがモノ(素材)とじっくりと向き合い、五感を通して触れたプロセスが見えるのです。園庭は、現代美術のギャラリーです。

ついつい、次の活動や降園の時間になると、「お片づけ」としてしまいがちですが、P保育所の園庭アトリエは、子どもとおとなが相互に語り合い、学びあう環境を保障しているのです。

こうした積み重ねが、世界的に高い評価をうけている生活自体がアートである心と目を育んでいるのでしょう。