公益社団法人 全国私立保育連盟

ごあいさつ

2020年の年明けから世界中を震撼させている新型コロナウイルス感染は未だ終息の先行きが見えず、私たちに不安を与え続けています。

私は以前から、保育園・こども園の果たす役割は「子育て支援」「子育ち支援」、そして「社会貢献」であると述べてきましたが、このコロナ禍で改めてそのことが明らかになったと感じています。何よりも、各園はまさに「子育て支援」という社会的機能を担う存在であり、保護者の就労支援は、子育て家庭が社会生活を保つために重要かつ必要不可欠であることが明確になりました。その保育現場で働く保育者たちは、エッセンシャルワーカーとして自負と責任を持ち、感染拡大防止の役割と就労支援に全力で取り組み続けています。

その状況下で保育現場を悩ませているのが、感染防止対策と子どもの健やかな育ちの保障=「子育ち支援」の関係です。特に、感染防止に必要とされる「3密回避」ですが、「密」は乳幼児期の子どもの心身の発達に必要な環境経験でもあるのです。例えば、子どもは、大人がマスクを着けていたらその顔や口元の表情がわからなかったり、触れる抱きしめるなどの接触を意図的に避けられていれば不安を抱きます。乳幼児期の発達に必要な安心感や心地よさを体験できない大人との関係は、子どものその後の人格形成や心身の発達にマイナスの影響を及ぼすと、すでに科学的見地から証明されているところです。

保育現場で感染防止対策と「子育ち支援」の両立にどう取り組むのか、困惑はありますが、私たちが大切にしていることは、 状況の把握や自分の思いを言葉にできない子どもたちに代わり、健やかな育ちの視点から決してブレず、子どもにとっての「子育ち支援」を第一義に、乳幼児期に必要な環境経験を日々創意工夫することです。

さらに、長く続くコロナ禍では、オンラインを活用して、家庭での子育て時間の楽しい過ごし方を提供したり、悩み相談を受けて新たなコミュニケーションも築いたり…と、まさに「子育て支援」と「子育ち支援」を両立させた役割も果たしています。

全国私立保育連盟は、子育て・子育ちの専門的知識や豊かな経験をもとに実践し、「地域社会に貢献」している保育のプロの会員園から成り立っています。私たちは、「地域社会の核」となる存在であることに自負と誇りを持って、さらに保育を高めていきたいと考えています。

公益社団法人 全国私立保育連盟
会長 小林公正